司法書士にとって最高裁は遠い存在だと思われがちですが、顧問先に弁護士を紹介した事件が最高裁に係属しようとすることもあり得ます。そんなときには、顧問先や弁護士とともに知恵を絞る必要もあります。
最低限必要な知識を整理しました。
もくじ | |
|
上告 | 上告受理申立 | |
申立の 理由【1】 |
(民事訴訟法312) |
(民訴318) |
提出先 |
|
(民訴318Ⅴ→314、315) |
期間 |
|
|
フィルター |
|
|
上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。 |
【1】上告と上告受理申立は、最高裁へのアクセス手段として、制度的に区分され、相互の融通を認めない。
「上告の提起」と「上告受理の申立て」は、いずれか片方の申立てをすることもできますし、両方の申立てをすることもできます。両方の申立てをする場合には、1通の書面に記載することもできますが、そのときは、書面の表題を「上告状兼上告受理申立書」としてください(以上、最高裁HP)。
【2】高裁にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反も上告理由とできる(民訴312Ⅲ)。
【3】口頭弁論に関与していない裁判官が判決を下したとき(民訴249「直接主義」違反)。
裁判官が交替後に弁論更新なしに判決がなされた場合には適用なし。
【4】民訴法第6条(特許権等に関する訴え等の管轄)第1項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。
【5】これらの事由については、当事者又は法定代理人のの規定による追認(民訴法第34条第2項〔第59条において準用する場合を含む。〕があったときは、上告理由とならない(民訴312Ⅱ本文)。
【6】「法令の解釈に関する重要事項」とは、その法令の解釈が当該事件を超えて一般的に広く影響する問題に関連し、しかも、最高裁判所がその法令の解釈を示すことが、法令解釈の統一のために必要であることを意味する。
CF.経験則違反:上告受理申立理由となる。
【7】比較
控訴理由書の提出先:控訴裁判所(民訴規則182)
抗告理由書の提出先:原裁判所(民訴規則207)1週間以内。
高等裁判所が上告審としてした終局判決に
があるときに限り、最高裁判所に更に上告できます(民訴327Ⅰ)。
特別上告には、上告に関する規定が準用されます(民訴327Ⅱ)。
再審の訴えができる理由は、限定列挙であり、いずれも三審制を保障できなかったと評価されるものである。
(民事訴訟法318) |