❶開発許可から建物完成までの流れと、❷その間に建築主と行政との間でやり取りされる書類は次のとおりです。
あなたが「隣地の建築計画が気になる場合」には、★印が一般に公開される情報ですので、ご参照ください。
また、あなた自身が「建物を建築しようとしている場合」にも、ご参照ください。
もくじ | |
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「開発」とは、未整備の土地を住宅用地にする宅地整備工事です(都市計画法4Ⅻ)。
開発を行う場合には、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分(いわゆる「線引き制度」)を担保し、良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止を目的として、行政の許可を得る必要があります(都市計画法29参照。)。
開発許可をしたときは、都道府県知事は、許可した土地の予定建築物の用途などを登録した「開発登録簿」を作成し、保管しなければなりません(都市計画法46、47)。
開発登録簿は、誰でも閲覧し、写しの交付を受けることができます(都市計画法47Ⅵ、都市計画法施行規則38)。
建築物を建築・増築・大規模修繕・大規模模様替しようとするときには、建築主は、工事着手前に、確認申請書を提出して、建築計画が建築基準法令等に適合していることの確認を受ける必要があります(建築基準法6Ⅰ)。
確認するのは、建築主事【1】又は指定確認検査機関【2】です。
【1】建築主事とは、建築計画の適合性を確認する事務の行政担当者のことです(建築基準法6)。
【2】指定確認検査機関とは、建築主事が行っている業務を行う民間機関のこと(建築基準法77の18以下)で、国土交通大臣などが指定します。
確認申請書が建築基準法などの法令に適合しているときには、建築主事又は指定確認検査機関は、建築主に対して、確認済証を交付します(建築基準法6)。
建築確認が出た場合、誰でも、特定行政庁【3】に対して申請することで、建築計画概要書【4】の閲覧が可能です(建築基準法93の2、建築基準法施行規則11の3Ⅰ①、建築基準法施行規則第三号様式)。この「建築計画概要書」と「実際の建物」が違っている場合には、特定行政庁に相談して是正を促しましょう。
【3】特定行政庁とは
建築主事を置く(比較的大きな)市町村の場合:市町村長
上記以外:都道府県知事
【4】建築計画概要書には、次のような情報が掲載されています(建築基準法施行規則第三号様式)。
建築主等の概要 |
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建築物及びその敷地に関する事項 |
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付近見取図 | 「方位、道路及び目標となる地物」が明示されています(建築基準法施行規則1の3)。 |
配置図 |
次の事項が明示されています(建築基準法施行規則1の3)。
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すべての建物建築に対して、一律に説明義務があるわけではありません。
大規模建物の場合に説明義務を課している地方自治体も多く存在しています。
工事現場の見やすい場所に「確認済証の交付を受けた後」「工事着手前までに」次の確認表示板(標識)を設置する義務があります(建築基準法89、建築基準法施行規則11、同規則68号様式)。
なお、設置義務違反については、50万円以下の罰金です(建築基準法103③)。
中間検査の対象となる建物の場合には、中間検査を受けて合格しなければ、次の工程に進めません(建築基準法7の3)。
建築主は、工事が完了したときは、建築主事に対して完了検査を申請しなければなりません(建築基準法7Ⅰ)。
検査に合格したときには、「検査済証」が交付されます(建築基準法7Ⅴ)。
工事監理者は、工事監理を終了したときは、直ちに、建築主に対して工事監理報告書を提出しなければなりません(建築士法20Ⅲ、建築士法施行規則17の15)。
建築主がその交付を受けていない場合には、工事監理者に対して請求することができます。