住宅ローン返済が困難になってきた方へ


「住宅ローン 返済困難」などと検索をすると、行き着く先は次の二つです。

  • 不動産会社の運営するサイトにつながり「競売されるよりも任意に売却した方がよい」などと『売却』をうながされます。
  • 弁護士の運営するサイトにつながり『住宅ローン特別条項つきの民事再生』や『自己破産』につながります。

また、親世帯からの援助で家計を維持していても焼け石に水です。どうせ資金援助を受けるのであれば、法律を使って最も有効な資金援助を受けましょう。

これらを並列に検討して、もっとも有効かつ未来に繋がる方法をご提案します。

もくじ
  1. 住宅ローンを滞納すると来る督促状(種類と順序)
  2. 手続選択の基準
  3. リースバックの検討
  4. 譲渡所得の申告

住宅ローンを滞納すると来る督促状


金融機関にとって、住宅ローンを滞納した方もお客様です。

したがって、最初は穏便な文書から始まります。そして、どんどん事務的に法律手続が進んでいる旨を伝える内容になってきます。だいたい次のような順番で督促状は送られてきます。

(最初期の)督促状

口座からの引落しができないとやってきます。文書のタイトルも「ご連絡のお願い」や「ご訪問のお願い」など穏便なもので、面談を求めるものが多いです。

この文書が来たときには、金融機関に相談に行く前に司法書士事務所にご連絡いただければ良いアドバイスができます。

返済期間の延長や、返済方法の変更(ボーナスがなくなったときには、ボーナス払いの繰り延べ)などを金融機関にお願いすることができます。

期限の利益喪失通知(予告)

「期限の利益」というのは、当初の契約で認められていた「分割返済を認める(あなたにとって)利益」です。全ての住宅ローン契約には、最初ついています。これがないと(無くなると)一括で返済する義務が発生します。

この通知を受け取った場合には、一刻も早く司法書士事務所にご相談ください。

この通知を受け取ると「任意売却」をすることができるようになります。

代位弁済通知

住宅ローンを融資した会社が、保証会社に対して、代位弁済を求めた(又は代位弁済を受け取った)ことを知らせる通知です。あなたは今後、保証会社に対して返済することになります。

この通知を受け取った場合には、一刻も早く司法書士事務所にご相談ください。

競売開始決定通知

競売が開始すると、通常3~5か月間でご自宅の所有権を失ない退去する必要が生じます。

競売よりも有利な任意売却を行うことで、残債務を少しでも少なくする必要があります。

この通知を受け取った場合には、一刻も早く司法書士事務所にご相談ください。

手続選択の基準


私たちは、次の5つのSTEPで、あなたにとって最も良い手続をご提案いたします。

 

STEP1■ 引直し計算と家計の見直し

  1. 利息制限法による引直し計算:まず、サラ金やクレジットカード会社から借入がある場合で、利息制限法の上限金利を超える金利を支払っていた場合には、利息制限法による引直し計算を行います。この方法で債務がギュッと圧縮されることもあります。
  2. 民事再生法による圧縮計算:民事再生法を使えば、住宅ローン以外の債務をギュッと圧縮することが可能です。民事再生によってどの程度圧縮されるかは、コラム「個人再生では借金債務はどこまで減額圧縮されるのか(個人再生の最低返済額)」をご参照ください。
  3. 客観的な家計の見直し:客観的な視点で家計を見直します。親世帯等からの援助が受けられるかも検討します。

STEP2■ 住宅を「所有」し続けるか、手放すか?

上記3つの方法(利息制限法による引直計算、民事再生による圧縮計算、家計の見直し)であれば返済できるか?それでも返済は無理か?を検討します。

(返済できない場合)

売却するしか有りませんが「STEP3」へ進みます。

(返済できる場合)

任意整理や住宅ローン特則つき民事再生


STEP3■ 住宅に「居住」し続けるか、転居するか?

「所有」は諦めざるをえなくても、それでも「居住」を続けられる場合もあります。

(居住し続けたい場合)

「STEP4」へ進みます。

(転居して良い場合)

売却してから債務整理など


STEP4■ リースバックを検討

リースバックは、検討すべき課題も多く、この時点で信用のおける不動産会社に入ってもらうことが多いです。リースバックの検討すべき課題については、後で触れますね。

STEP5■ どうしようもない場合

任意売却又は競売の後に、破産申立をすることができます。

ご自宅を失うことにはなりますが、身軽になって老後資金を貯めたり、一からやり直すことができます。

リースバックの検討


リースバックとは?

「リースバック」は聞き慣れないかもしれませんが、「セール&リースバック」の略です。

簡単に申し上げると、①あなたのご自宅を第三者に売ると同時に、②あなたと買主さんとの間で「あなたを借主に、買主を貸主にする賃貸借契約」を結びます。

そうすることで、外見は何も変わることなく、あなたはその家に住み続けることができます。

リースバックで検討すべき点

借金整理のために不動産を売却する場合には、売却価格は適正なものでなければなりません。

低価格で売却しようとしても住宅ローン会社が「うん」と言わないばかりか、その後の手続で問題になることもあり得るからです。

一方、買主の立場からすると「売主(借主)が短期間で家賃支払を諦めて退去すると痛い」ことになります。退去された場合には、第三者に賃貸するために内装リフォーム費用がかかるためです。そこで、買取額を安くしようとします。

また、リスクが高いため、個人の不動産投資家は手を出す人が少ない傾向にもあります。その点、大手不動産はバルクで見てくれます(10件リースバックして、7件利益出れば3件損しても・・・良い)ので、買い取り価格を高い目に出してくれるところが多い印象です。

 

さらに「売主が払ってきた住宅ローン > 家賃 > 買主の不動産融資の返済額」という関係にならないと、リースバックをする意味がありません。

リスクは売買価格で調整していますので、家賃はだいたい近隣相場(成約事例を見せて)になることが多いです。

 

もちろん、親族にお金持ちがいらっしゃる場合には、親族との間で「リースバック」をすることができます。

譲渡所得の申告


不動産を売ったときの譲渡所得は、給与所得とは別に課税される分離課税ですが、所得税の申告書に記入して申告します。譲渡所得のみの申告ではありません。

したがって、税理士に依頼する場合でも所得税の申告と一緒に行ないます。

よって、税理士報酬も、個人事業主の申告書作成料同様の価格(5万、10万、それ以上)となります。

また、2つの以上の物件を同年に譲渡した場合、損益通算することができます。

司法書士に「不動産売却」を相談するメリット


住宅ローンやその他の借金の返済が苦しくなったときには、不動産会社ではなく「まず司法書士」にご相談ください。

  任意売却業者 司法書士+不動産会社
提案内容

不動産の売却しか提案できない。

売る必要のなかった不動産を売却させられることも。

民事再生や任意整理をすることで不動産を売却せずに済む方法も提案可能。
司法書士は、まず利息制限法による引直計算を行ない、必要に応じて過払金返還請求・任意整理・民事再生などの手続をご提案し、やむを得ない場合にのみ不動産売却を提案します。
売却時期 早く売らせようとする。 引越代や新居の敷金をプールする時間を確保することに努めます。

司法書士が金融機関に対して受任通知を送付すると取立ては止まります。

(不動産を手放す決断をした場合には)あなたは住宅ローンの返済を止め、引越等の資金をプールすることができます。

売却価格 安く買い取ろうとする。 適正な価格での売却に努めます。

安い値段で売却すると売却後の残債務が大きくなってしまいます。また、あまりに安い値段で売却した場合、その後の手続に支障が生じることもあります。そこで司法書士は、不動産会社に対して、適正な価格で売却するよう求めていきます。

売却後の残債務

への対応

特にできることはなし。 任意整理・民事再生・破産などの法的手続を行います。

任意売却業者は、法的手続を行う資格も権限もありません。

司法書士は、任意整理・民事再生・破産などの法的手続を行うことを業としていますので売って終わりではなく、最後までお手伝いをすることが可能です。

不動産売却

までのコスト

  • 第三者間:3%+6万円(仲介手数料)
  • 親族間:3%+6万円(仲介手数料)×2倍
  • これらとは別に登記のための司法書士報酬・費用が発生します。
  • 第三者間:3%+6万円(仲介手数料)+数万円(司法書士相談料)
  • 親族間:22万円~(司法書士に支払う契約書作成報酬)
  • これらとは別に登記のための司法書士報酬・費用が発生します。
特に親族間でリースバックが成立する場合、そのコストの差は一目瞭然です。

住宅ローンやその他の借金の返済が苦しくなったときには、不動産会社ではなく「まず司法書士」にご相談ください。

司法書士の報酬・費用


まずは、30分につき5,500円(税込)の司法書士による法律相談をご利用ください。

その後、あなたにもっとも適切な「サポート内容とその報酬」をご提示いたします。


※ 売買契約に押印した後のご相談の場合 ※

まず、売買契約書・重要事項説明書の署名欄を送付ください。 

なお、売買契約書や重要事項説明書を作成したのが、顧問先又は関与先の不動産会社である場合には、利益相反が生じる可能性がありますので、お受けすることができません。

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