家庭裁判所の審判の確定時期は、その後の手続に影響するため、重要です。
❶審判に対する即時抗告の可否、❷審判の効力発生時期そして❸確定証明書の要否について、まとめました。
もくじ | |
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〔凡例〕この記事では、下記の通り略記します。
家事123Ⅰ①:家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第123条第1項第1号
「審判は確定が必要か」という点では、全ての審判において確定が必要です。
いつ確定するのかという点は、家事事件手続法74条2項に規定があります。
即時抗告可能な審判かどうかで、確定の時期は変わります。
例えば、
家事事件手続法第74条(審判の告知及び効力の発生等) | |
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家事事件手続法第85条(即時抗告をすることができる審判) | |
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家事事件手続法第86条(即時抗告期間) | |
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なお、家事事件の即時抗告期間には、1週間のものと2週間のものがありますので、ご注意ください。
家事事件手続法第101条(即時抗告期間等) | |
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(参照:金子修『逐条解説家事事件手続法』商事法務/2013/242頁以下)
つまり・・・
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▼ 家事事件手続法第2編第2章をチェックして、即時抗告ができるものか否かを見るのが一番早い。 |
事事件手続法第2編第2章に規定されている各事件は次のとおりです。
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第一節 成年後見に関する審判事件(第117条―第127条)
第二節 保佐に関する審判事件(第128条―第135条)
第三節 補助に関する審判事件(第136条―第144条)
第四節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(第145条―第147条)
第五節 失踪の宣告に関する審判事件
第一款 失踪の宣告の審判事件(第148条)
第二款 失踪の宣告の取消しの審判事件(第149条)
第六節 婚姻等に関する審判事件(第150条―第158条)
第七節 親子に関する審判事件
第一款 嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件(第159条)
第二款 子の氏の変更についての許可の審判事件(第160条)
第三款 養子縁組をするについての許可の審判事件(第161条)
第四款 死後離縁をするについての許可の審判事件(第162条)
第五款 離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(第163条)
第六款 特別養子縁組に関する審判事件(第164条―第166条)
第八節 親権に関する審判事件(第167条―第175条)
第九節 未成年後見に関する審判事件(第176条―第181条)
第十節 扶養に関する審判事件(第182条―第187条)
第十一節 推定相続人の廃除に関する審判事件(第188条・第189条)
第十二節 相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(第190条)
第十二節の二 相続財産の保存に関する処分の審判事件(第190条の2)
第十三節 遺産の分割に関する審判事件(第191条―第200条)
第十四節 相続の承認及び放棄に関する審判事件(第201条)
第十五節 財産分離に関する審判事件(第202条)
第十六節 相続人の不存在に関する審判事件(第203条―第208条)
第十七節 遺言に関する審判事件(第209条―第215条)
第十八節 遺留分に関する審判事件(第216条)
第十八節の二 特別の寄与に関する審判事件(第216条の2―第216条の5)
第十九節 任意後見契約法に規定する審判事件(第217条―第225条)
第二十節 戸籍法に規定する審判事件(第226条―第231条)
第二十一節 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に規定する審判事件(第232条)
第二十二節 厚生年金保険法に規定する審判事件(第233条)
第二十三節 児童福祉法に規定する審判事件(第234条―第239条)
第二十四節 生活保護法等に規定する審判事件(第240条)
第二十五節 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する審判事件(第241条)
第二十六節 破産法に規定する審判事件(第242条)
第二十七節 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件(第243条)
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即時抗告できる旨の規定がなければ、即時抗告できない(=告知によって即時効力発生)
と言われても・・・
「本当に規定がないのか?(自分が)見つけられないだけでは?」と不安になりますよね。
安心してください。
即時抗告できる旨の規定がない(告知で効力を生じる)家事審判事件の一覧は次のとおりです。
分類 | 手続名 |
第一節 成年後見に関する審判事件(第117条―第127条) |
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第二節 保佐に関する審判事件(第128条―第135条) |
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第三節 補助に関する審判事件(第136条―第144条) |
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第四節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(第145条―第147条) |
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第五節 第一款 失踪の宣告の審判事件(第148条) |
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第五節 第二款 失踪の宣告の取消しの審判事件(第149条) |
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第六節 婚姻等に関する審判事件(第150条―第158条) | |
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第七節 第一款 嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件(第159条) |
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第七節 第二款 子の氏の変更についての許可の審判事件(第160条) |
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第七節 第三款 養子縁組をするについての許可の審判事件(第161条) |
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第七節 第四款 死後離縁をするについての許可の審判事件(第162条) |
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第七節 第五款 離縁等の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(第163条) |
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第七節 第六款 特別養子縁組に関する審判事件(第164条―第166条) |
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第八節 親権に関する審判事件(第167条―第175条) |
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第九節 未成年後見に関する審判事件(第176条―第181条) |
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第十節 扶養に関する審判事件(第182条―第187条) |
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第十一節 推定相続人の廃除に関する審判事件(第188条・第189条) |
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第十二節 相続の場合における祭具等の所有権の承継者の指定の審判事件(第190条) |
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第十二節の二 相続財産の保存に関する処分の審判事件(第190条の2) |
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第十三節 遺産の分割に関する審判事件(第191条―第200条) |
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第十四節 相続の承認及び放棄に関する審判事件(第二百一条) |
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第十五節 財産分離に関する審判事件(第二百二条) |
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第十六節 相続人の不存在に関する審判事件(第203条ー第208条) | |
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第十七節 遺言に関する審判事件(第209条―第215条) |
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第十八節 遺留分に関する審判事件(第216条) |
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第十八節の二 特別の寄与に関する審判事件(第216条の2―第216条の5) | |
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第十九節 任意後見契約法に規定する審判事件(第217条―第225条) |
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第二十節 戸籍法に規定する審判事件(第226条―第231条) |
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第二十一節 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に規定する審判事件(第232条) |
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第二十二節 厚生年金保険法に規定する審判事件(第233条) |
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第二十三節 児童福祉法に規定する審判事件(第234条―第239条) |
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第二十四節 生活保護法等に規定する審判事件(第240条) |
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第二十五節 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する審判事件(第241条) |
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第二十六節 破産法に規定する審判事件(第242条) |
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第二十七節 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件(第243条) | |
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告知によって直ちに効力が発生している(確定している)ことと、確定証明が必要なことは異なります。例えば、相続財産清算人選任の審判は、告知によって直ちに効力を発生しますが、確定証明書がないと金融機関は、手続に応じてくれません。
したがって、審判の確定証明書は、告知で効力が生じる場合においても取得しておくべきです。
この記事を執筆するにあたり、当グループの髙野守道司法書士より原案の提供を受けました。
平成28年司法書士登録
葛飾生まれ、葛飾育ち、葛飾在住、事務所も葛飾
開業当初から、世の中の「困った」を一つでも多く解消すること、軽減させることを念頭に、先義後利の精神で今日も駆けずり回っている。
義理と人情溢れる下町の頼りになる司法書士になれたらいいな、なれるといいな。