全相続人の合意がないと、相続手続は進められません。
では、遺産分割協議を進めようとして反対されたとき、どうしますか?
遺産相続で起こった紛争を解決しないまま放置しておくと、親族間にしこりが
残るだけでなく、紛争を次世代に残すことになってしまいます。
当グループでは、裁判所に提出する書類の作成や、調停期日での対応などもアドバイスすることが可能です。
どうすれば解決できるか?・・・わからないとき!
当グループにご相談ください!
当グループが問題点を整理して、解決策をご提示します!
【注】家庭裁判所の管轄に属する遺産分割事件では、訴訟前に直接相手方に乗り込んで話しをつける(示談をする)権限は、弁護士にしかありません。お話しを伺って、弁護士に依頼するべき案件の場合には、遺産分割に特化した弁護士をご紹介いたします。もっとも、どうしてもご自身でなさりたいという場合には、お申し出ください。裁判所提出書類の作成などを通じて当グループが精一杯支援いたします。
もくじ | |
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当グループにご相談いただいた場合には、次のように進めます。
被相続人(財産・負債をお持ちの方)の死亡によって、相続が発生します。
出来るだけお早めに最寄りの当グループ事務所にご相談ください。この段階でのご相談が一番効果的です。当グループであれば、遺産分割協議で揉めにくい方法もお伝え可能だからです。
残念ながら、司法書士は、相続人お一人の代理人となって、遺産分割協議に立ち会うことが出来ません。それが出来るのは、弁護士だけですが、費用は高額になるでしょう。
最寄りの当グループ事務所にご相談ください。遺産分割調停を申し立てるべきか、遺産分割前に片付けておかないといけない前提問題や、遺産分割に付随する付随問題の有無、この段階で弁護士に依頼すべきかなどを含め、ご相談に対応します。
もちろん、遺産分割事件専門で著名な弁護士をご紹介することも可能です。
伺った内容から司法書士が具体的な調停申立書案【1】を作成し、ご要望に添ったものか確認いただきます。申立書は司法書士が家庭裁判所へ提出します。
司法書士が同行し、ご不安を取り除きます。司法書士は、調停室に同席することはできませんので、ご容赦ください。
短ければ2~3回(4か月ほど)の期日で協議を行ないます。
期日が終わるたびに、調停委員に何を言われたのかメモをし、司法書士にご相談ください。
追加で書面を提出する必要があるのかなどをご説明いたします。
相続人間で合意が調えば、調停が成立し、調停調書が作成されます。
調停に代わる審判(家事事件手続法284)がなされることもあります【2】。
調停が不成立になると、裁判官による審判がなされ、審判書が作成されます。
審判に対する異議は、即時抗告によって行います。
当グループへ調停調書・審判書をお持ちください。各種財産の名義変更をお手伝いいたします。
【1】申立時に提出する書類は、次のとおりです。
各家裁ごとに提出する書類が異なりますので、各家裁のホームページで確認し、ダウンロードして利用します。
【2】調停に代わる審判(家事事件手続法284)
大筋合意しているが細部で折り合いがつかず調停が成立しない場合において、裁判官が相当と認めるとき、裁判官が、調停委員会の意見を聴いたうえで審判します。
遺産分割協議や遺産分割調停では、当事者が合意していれば、どんな事項でも協議し合意することができます。
審判では、裁判官が法律に基づきバッサリと決着をつけます。遺産分割審判は、遺産を分割する審判ですので、遺産でないものは一切考慮されないのです。
下表では、○=審判対象、△=条件付で審判対象、×=審判対象外をそれぞれ表します。
種類 | 説明 | |
不動産 | ○ | |
可分債権 | △ |
債権(他人に何円支払えという権利)は、割ることができますで、法律上、相続開始時に、法定相続分で分割されています(最判昭和29年4月8日(昭27(オ)1119号)ので、原則として遺産分割の対象となりません。 ただし、相続人全員がこれを遺産分割の対象とする旨を合意したときは、審判対象となります【1】 |
銀行預金 | ○ | 銀行預金も、可分債権の一種で、かつては、可分債権同様の取扱い(法定相続分により当然分割されるため審判対象外)でしたが、最高裁大法廷H28.12.19判決は、判例を変更し、遺産分割審判の対象になると、判示しました。 |
使途不明金 |
× |
生前や死後に多額の預金引き出しがある場合です。 別途、民事訴訟で解決すべき問題です。 |
現金 | ○ | 現金は動産ですので、分割対象です。 |
株式 | ○ | |
遺産の代償財産 |
× |
相続開始後、遺産分割協議成立までの間に、遺産が火災で消滅し、火災保険金を受け取ったときの保険金。 分割対象にならない理由は、相続開始時に存在した財産ではないためです。 |
遺産収益 |
× |
銀行預金や賃貸住宅などの遺産本体から発生する銀行預金の利息や、賃貸住宅の家賃収入のことを遺産収益といいます。相続開始後、遺産分割協議成立までの間に発生した利息や家賃収入は、「各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、この賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない」とされています(最判平成17年9月8日民集59.7.1931)。 |
生命保険 |
△ |
原則:遺産ではなく、受取人の固有財産 例外:遺産に比較して保険金が大きく、著しく不公平を生ずるときは、特別受益に準じて持戻しの対象となる(最高裁H16.10.29決定) |
死亡退職金 |
× |
相続財産ではない(最高裁S55.11.27判決など) |
未支給年金 |
× |
相続財産ではない。 |
年金の遺族給付 |
× |
相続財産ではない。 |
【1】すでに分割されている可分債権を、審判対象にできることに違和感を感じましたが、(相続人の固有財産となった可分債権を使って)代償分割するのだと考えれば、一応納得できます。
遺産分割調停が不調になって、自動的に審判に移行する前に「寄与分を定める調停」も申立てておく必要があるということです。忘れると裁判官も寄与分について考慮してくれません。
借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されるますが、
遺産分割協議に加えても、遺産分割調停で話し合っても問題ありません。
しかし、遺産分割審判になると、
原則(借金は、法定相続分に応じて当然に分割承継されている)に戻ります。
つまり借金は全く考慮されません。
相続人が長男二男の2名で、長男が自宅と借金を相続し、二男が預金を相続し、長男が二男に不足分を代償金として支払うという処までは話しがついていて、代償金の額が争いになった次の例で考えます。
遺産分割協議・遺産分割調停 | 遺産分割審判 | ||
積極財産 |
自宅 5000万円 預金 1000万円 |
自宅 5000万円 預金 1000万円 |
|
消極財産 |
借金▲2000万円 |
▶ | 考慮されない |
合計 |
4000万円 |
6000万円 | |
各人の相続分 |
×1/2=2000万円 |
×1/2=3000万円 | |
長男→二男への代償金 | 1000万円で良い | 2000万円になる |
全員が審判の結果に異議があったとしても、一度出された審判は覆らない。
審判で遺産分割による各自の相続財産が決まった後、相続人全員の合意で審判と異なった分割協議が成立しても、その協議は(遺産分割協議ではなく)審判により一旦確定した権利が、さらに移転もしくは共有物分割として効力があるにすぎない(昭和29年12月27日民事甲2759号)
概ね次のとおりです。
あくまで目安 | |
戸籍など添付書類収集 | 2か月 |
申立書作成 | 1か月 |
遺産分割調停での話し合い | 4か月~ |
調停成立・審判後の名義変更 | 1か月 |
司法書士の報酬 | 費用 | |
遺産分割調停申立書作成 | 110,000円(税込)~ | 相続人数にもよりますが10,000円程度 |
追加書面作成 | 5,500円~110,000円(税込)/通 |
申立書の添付書類となる戸籍などの収集をも司法書士にご依頼の場合は、概ね、次のとおりです。
集めるべき戸籍の数は、人により異なりますので、戸籍収集前に、正確に算出できません
業務の種類 | 司法書士報酬 | 実費 | |
戸籍収集 | 親子間の相続 | 11,000円(税込)~ | 3,000円~ |
兄弟間の相続 | 22,000円(税込)~ | 5,000円~ | |
お子様のない夫婦間の相続 | 22,000円(税込)~ | 5,000円~ | |
相続関係説明図の作成 | 33,000円(税込)~ | 0円 |
遺産分割調停を申し立てましょう。調停でも、まとまらなければ、裁判官が具体的相続を決定する遺産分割審判に移行します。当事務所では、各申立書の作成及びアドバイスを通じて、サポートします。
遺産分割は、全相続人の承諾と成立しません。そして、不動産やその他の財産を名義変更しようとする場合には、書類への実印押印と印鑑証明書がないと、登記所や銀行は応じてくれません。きっとどなたかが反対したか押印できなかったのでしょう。
これ以上関わりたくないという場合には、次のようになさって下さい。
遺産分割協議を行なう前に解決しておかなければ、遺産分割協議が無効になる事項のことで代表的なものは次の3つです。
①相続人の範囲:被相続人の子どもは他にもいる。実は〇〇さんは相続人ではないなど。
②遺言書の効力:遺言書が無効であるか否か、解釈について。
③遺産の帰属:「被相続人名義の〇〇銀行の預金は、相続財産ではなく〇〇さんのものである」「〇〇さん名義の預金は、実は本当は被相続人のもの」などです。
(令和元年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)。
遺産分割協議で話し合っても良いけれども、遺産分割調停が不調となって遺産分割審判となる場合には、審判されない事項のことで、次のようなものがあります。
①使途不明金:被相続人名義の預金を相続人の一部の者が勝手に引き出したなど
②葬儀費用:被相続人の死後発生した債務だからです
③祭祀承継:ご先祖の墓を誰が承継するか
④遺産収益:被相続人の死後発生した収益不動産の家賃など
(令和元年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
いいえ。離婚調停と異なり、調停・審判どちらを先に申し立てても結構です。しかし、審判を先に申し立てても、職権で調停に付されることが多いです。遺産を独り占めにしているような相続人がいる場合などには、先に審判を申し立て、遺産管理者を選任してもらって(審判前の保全処分)から、調停に回付してもらうこともあります。
わかりやすく図でまとめました。
遺産分割調停 | 遺産分割審判 | |
遺産分割の周辺問題なども同時に解決できる可能性がある。 ⇒柔軟な解決が期待できる |
審判事項は法律で決められており、遺産分割・寄与分以外は判断されない。 ⇒硬直的解決になりがち。全相続人が損をしたと感じることも。 |
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銀行預金の取扱 | 調停の対象となる。 |
審判の対象となる(最大判H28.12.19)。 |
銀行預金以外の可分債権 | 相続人全員の合意があれば、調停の対象とできる。 | 相続人全員の合意があっても、本来審判事項ではないので、除外される可能性がある。 |
銀行預金の利息・収益不動産の賃料(法定果実)の取扱 | 相続人全員の合意があれば、調停の対象とできる。 | 相続人全員の合意があっても、本来審判事項ではないので、除外される可能性がある。 |
可分債権や、法定果実で調整できるので、遺産分割全体の柔軟な解決が期待できる。 | 可分債権や、法定果実で調整できないので、硬直的解決になりがち。 |
遺言があって、その内容に異議がある場合には、遺産分割調停ではなく、遺留分減殺請求などを行います。
遺産の範囲や、相続人の地位(これらを前提問題と言います。)に明らかな争いがある場合には、遺産分割調停は申し立て出来ず、訴訟などで前提問題を解決してから調停を申し立てます。また、調停申立後に、前提問題の存在が明らかになった場合には、調停の取下げを促されることがあります。
相手方の住所地又は当事者が合意した家庭裁判所です。管轄違いは、職権で管轄家庭裁判所に移送されます。
ただし、相続人が全員神戸以外の住所であるが、被相続人が神戸で亡くなり、相続財産のほとんどが神戸にあるというような場合には、「事件処理のために特に必要があると認められる場合」に該当するとして、移送されないで神戸家庭裁判所が自ら処理することもあり得ます。自庁処理の上申書を提出して、移送しないように、求めることもあります。
申立人とならなかった他の相続人全員です。相続人中に協力者がいる場合、共に申立人となっていただくか、相手方とする必要があります。管轄の問題もありますので、慎重に考える必要があります。
調停での話し合いがまとまらなかった場合、調停が不調になると、いいますが、この場合、遺産分割審判に自動的に移行します。調停から審判へ移行する場合、調停の申立時に審判の申立てがあったものとみなされるため、特に手続は必要ありません。
遺産分割調停は、遺産を探し出すことを目的とした手続ではありません。ほかにも遺産があると考える場合には、その裏付けとなる資料を提出します。調停委員が相手方に必要な資料の提出を促してくれることはありますが、強制力はありません。
申立した書類が揃っていれば、家庭裁判所は、申立人と協議して、第一回調停期日を指定し、相手方に呼出状を送り、出頭の要請をします。
その後、調停手続内で、「相続人・分割対象財産」を確定します。この段階で、中間調書を作成されることもあります。
次に「特別受益主張の有無、寄与分主張の有無」を加味して、これらに基づき、調停委員が「具体的相続分の目安」を作成し、これに基づき、調停委員が当事者に「遺産分割案」を提示します。
指定された日に、当事者(申立人と相手方)が家庭裁判所に出頭し、それぞれ別の待合室で待たされます。申立人と相手方は、交互別々に会議室(調停室といいます。)に入り、調停委員(民間有識者、男女1名ずつ)と個別に話をします。調停委員が、話し合いの間を取り持ってくれます。相手方と顔を合わせることはありません。
調停委員と話をされる際には、相手方に伝えていいこと、伝えて欲しくないことは区別して話しするようにします。
証拠などを提出される場合には、自分にとっても不都合にも成り得ます。 調停委員は強引に譲歩を求めてくる場合もありますが、即答をしないようにします。
調停の目的は「遺産を分ける」ことで、感情的対立を排除することではありません。調停がもし不調になった場合に移行する審判の結果を予測しながら、合理的解決を目指しましょう。
特に注意すべきなので「期日調書」です。調書は、前提問題(遺産の範囲・相続人の範囲など)について、当事者間に合意が成立された場合に、作られます。
一度、調書を作成すると、調書の内容をひっくり返すことはできません。調書は期日ごとに作られる訳ではありませんが、調書を作成する際には、(いつもは同席しない)裁判官と書記官も同席しますので、その際には、注意をしましょう。
相続人全員がそろわなくても調停は行われます。
来ない人には、家庭裁判所から出頭要請が行われ、家裁調査官による出頭を求めるための調査が行われることもあります。
それでも、出頭しないときは、調停事項をまとめた調書に出頭しない人の署名押印(印鑑証明書添付)を求め、調停を受諾した取扱をすることもあります。 遺産は要らないという人には、家裁は相続分の譲渡や、相続分の放棄を促すこともあります。
次のような場合には注意が必要です。
❶遺産中に負債がある事案で、代償金を支払う必要があるとき
具体例を使って説明します。
【被相続人】父
【相続人】長男、二男
【遺産】賃貸不動産(1億5000万)、自宅不動産(3000万)、現預金(2000万)、負債(6000万)
【長男の希望】負債は全額負担するから賃貸不動産が欲しい
【二男の希望】自宅不動産、現預金、長男からの代償金
【注意すべき点】代償金を定めるにあたって、調停では負債額を考慮されうるが、審判では(負債は審判事項ではないので)考慮されない。審判では代償金が高額になり、長男に支払い能力がなければ、結局、賃貸不動産は共有とする分割か、換価分割の審判がなされる可能性がある。
よって、このような場合には、審判移行をせず、調停のうちに解決すべきです。
(審判では解決しがたい遺産分割の付随問題への対応・p194)
調停の場合 | 審判の場合 | |
分割する財産 |
プラスの財産2億円 マイナスの財産6000万円 |
プラスの財産2億円 (マイナスの財産は遺産分割協議を経ず、各相続人に各法定相続分で帰属する。) |
それぞれの取り分 |
7000万円 ∵(2億ー6000万)÷2 |
1億円 (負債は3000万円ずつ負担する) |
代償金の額 (長男→二男へ) |
2000万円 ∵取り分7000万-自宅3000万-現預金2000万 |
5000万円 ∵取り分1億円-自宅3000万-現預金2000万
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(令和元年6月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
裁判官が、①遺産に属する物、又は権利の種類及び性質、②各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況、③その他一切の事情を考慮して(民法906条)、各相続人の相続分に反しないように分割します。
また、相続人が自分の都合ばかり主張して非協力的な場合など特別の事情がある場合には、家裁は、一定期間遺産分割の禁止をすることもあります(民法907条3項)
上のQとは異なり、「寄与分を定めるに際しては、遺留分を侵害しないようにしなければならないのかという」問題です。
相続人同士の話し合いで、寄与分(通常は話し合いで寄与分を決めることはせず、相続する財産を決めます)を決めるに際して、遺留分を侵害しても問題ありません。
話し合いが決裂した場合には、寄与分を定める審判で裁判所に決めてもらいます。裁判所は寄与分を定めるに際して、次のように考えます。すなわちで、「寄与分の制度は、相続人間の衡平を図るために設けられた制度であるから、遺留分によって当然に制限されるものではない。しかし、民法が、兄弟姉妹以外の相続人について遺留分の制度を設け、これを侵害する遺贈及び生前贈与については遺留分権利者及びその承継人に減殺請求権を認めている(1031条)一方、寄与分について、家庭裁判所は寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定める旨規定していること(904条の2Ⅱ)を併せ考慮すれば、裁判所が寄与分を定めるにあたっては、他の相続人の遺留分についても考慮すべきは当然である。確かに、寄与分については法文の上で上限の定めがないが、だからといって、これを定めるにあたって他の相続人の遺留分を考慮しなくてよいということにはならない。むしろ、先に述べたような理由から、寄与分を定めるにあたっては、これが他の相続人の遺留分を侵害する結果となるかどうかについても考慮しなければならないというべきである。」(東京高裁平成3.12.24決定)。
(令和元年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
葬儀費用、相続債務、使途不明金、祭祀承継などについては審判できません。
銀行預金は、従来、被相続人の死亡により、(遺産分割をするまでもなく、当然に)法定相続分で分割される。よって、遺産分割審判の対象とならないと、されてきました(最判昭和29年4月8日、最判平成16年4月20日など)。
しかし、平成28年12月19日最高裁判所大法廷決定では、預貯金も遺産分割の対象となると判例変更を行ないました。(平成29年3月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔加筆)
遺産分割の分割方法には現物を切り分ける「現物分割」、自宅をもらう代わりに自分のポケットマネーを支払う「代償分割」、自宅を売却して代金を折半する「換価分割」があります。
自宅を取得するためには、代償金の算定のために、不動産価格の鑑定申請を行い、代償金を支払う意思を示し、代償金負担能力を証明できれば、不動産を取得することも可能です。
被相続人には、預金がたくさんあると思っていたのに、遺産分割の時には、思っている程の金額が残っておらず、銀行取引明細を取り寄せると、被相続人の死亡前、死亡後に多額の出金がなされていた。ところが、被相続人は、長年認知症を患っており介護施設に入所しており銀行預金を引き出すことができない筈であった。このような場合に、被相続人の近しい者が引き出したに違いないと、問題になることを使途不明金問題といいます(令和元年7月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)。