会社TOPがその肩書きを決めようとするとき、いただいた名刺を参考にすることも多いと思います。
ところが名刺を見比べてみると・・・
実に様々な肩書きの方がいることに驚くと思います。
この記事では、代表取締役と社長の違いについてお話しし、最後に会社TOPが使うべき肩書きを提言したいと思います。
もくじ | |
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代表取締役は、次の3つの権限をもっています。
取締役の中から、代表取締役を選定します。
したがって、代表取締役になるためには、前提として取締役である必要があります。
代表取締役は2名以上を選定することも可能です。
法律上人数制限はなく、取締役全員を代表取締役に選定することも可能です。
貴社定款で代表取締役の人数を制限している(定款に「取締役のうち1名を代表取締役とする」等の規定がある)場合には、その定款規定に拘束されます。
会社法に表れた代表取締役の定義を見てみますと、こんな感じです。
会社法第349条(株式会社の代表) | |
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会社法第363条(取締役会設置会社の取締役の権限) | |
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「社長・副社長・会長・専務・常務」これらは、いずれも法律用語ではなく、会社法上の役員ではありません。
「社長」という肩書の場合には「代表取締役の中の最上位者」であることを意味することが多いですが、「社長」という肩書自体が法律用語ではありません。
単なる「社長」という肩書の方と取引をしようとする場合には、商業登記事項証明書を取得して、その方が本当に代表取締役であるか確認するのが無難です。
「副社長・会長・専務・常務」の肩書が、どういう意味なのかは、各社の業務分掌規程によります。
※ 代表取締役でない者に「社長」「副社長」を名乗らせてはいけません。
代表取締役でもない取締役に対して「社長」「副社長」などの肩書きを付与すると、社内外の混乱を招く可能性があるほか、会社が「表見代表取締役の行為責任(会社法354)」を追及されることもありますので、止めておくべきです。
会社法第354条(表見代表取締役) | |
株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。 |
「社長・副社長・会長・専務・常務」いずれも取締役の中から選定されることが多いです。
通常の会社であれば、次のようなイメージです。
もっとも法律上の規定はありませんので、各社の定款において定めるのが通常です。
代表取締役 | 社長 | |
法律用語である。 | 法律用語ではない。 | |
複数名を代表取締役に選定することも可能。 | 複数名を社長に選定するのは一般的ではない。 | |
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「代表取締役」だけの肩書では、会社のTOPであるか、契約等の相手は判別できません。 代表取締役が複数人いる会社が存在しているからです。 |
「社長」だけの肩書では、代表取締役であるか、契約等の相手は判別できません。 社長が法律上の肩書ではないからです。 |
まとめでご覧いただいた通り、「代表取締役」だけの肩書には支障があります。
一方、「社長」だけの肩書でも支障があります。
したがって、会社のTOPは「代表取締役社長」と名乗るようにしましょう。
また、代表取締役でない取締役には、「社長」「副社長」の肩書を渡さないようにしましょう。