貴社が株券を発行している会社か、発行していない会社か、急いで確認してください。
法務局で会社の登記簿謄本(登記事項証明書)を取得すればすぐにわかります。
登記簿に「当社は株券を発行する」と記載されている会社であれば、一度も株券を発行していなくても「株券発行会社」であり、この記載がなければ「株券不発行会社」です。
もし「株券発行会社」であるときには、急いで「株券不発行会社」に移行しなければ面倒です。
それほど、難しい登記ではございませんので、ご自身やお近くの司法書士事務所でも対応可能です。
お近くの司法書士に断わられたときや、どこに相談したら良いかご不明のときには、あなたのまちの司法書士事務所グループに、安心してお任せください。
もくじ | |
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「当社は株券を発行する」と登記されている株式会社の場合(実際に株券を発行したことなど無くても)、株券のやり取りのない株式売買は無効です(会社法128)から、株式を売買しようとすると、株主はどうしても株券を発行してもらう必要があります。
また、株式売買に関係なく 株主から「株券を発行してください」と言われれば、株券を発行する必要があります(会社法215)。
しかし、いざ株券を発行すると、
したがって、株主から株を売りたいんですが・・・と相談されたとき、急いで株券不発行会社へ移行すべきです。
なお、種類株式発行会社の場合、種類株式のうち一部についてのみ株券を発行できないとすることは許されません(会117Ⅶ、214)
不発行会社のメリット |
株式発行、株主管理コストが低くてすむ。 紛失・盗難・偽造・善意取得のリスクがない。 |
不発行会社のデメリット |
株主権を証明できる書類が、会社が管理している株主名簿しかない。 ☞株主名簿の管理は厳密である必要がある。 |
会社の状態によって行なうべき手続は異なります。
会社の状態 | 必要な手続 |
実際に株券を発行したことがない場合 |
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実際に株券を発行した + 発行済全株券を回収できた + 株主全員の協力を得られる |
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上記以外のとき |
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【1】発行済み全株券を回収し、株券不所持申し出をしてもらうことで、株券の善意取得をされる可能性がなくなるためです。
【2】公告の方法は「定款で『公告をする方法』と定めた」方法により、行います。公告をする方法は登記もなされています。
豊富な実務経験!
当事務所への初めての相談で、納得いただけない場合、相談料を返金いたします。
登記を伴わない手続にも精通!
難しい手続も決して断わらないを続けた結果、様々な手続を身につけてきました。さらに、豊富な実務経験にアグラをかくことなく、日本一勉強し続ける司法書士事務所グループで有り続けます。
幅広い人脈による徹底支援!
万一、紛争が法廷闘争に持ち込まれたときもご安心ください。
当グループは、企業法務専門の弁護士ともガッチリ提携!いつでも引継ぐことが可能です。
業務の種類 | 司法書士の手数料※ | 実費 | |||
株券不発行会社への移行 (株券発行実績なし) |
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33,000円(税込) |
免許税30,000円 個別通知郵券242円×株主数 |
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株券不発行会社への移行 (株券発行実績あり +発行済全株券返却を受けて) |
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88,000円(税込) |
免許税30,000円 不所持申出1,020円×株主数 個別通知郵券242円×株主数 |
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株券不発行会社への移行 (株券発行実績あり+株主非協力) |
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88,000円(税込) |
免許税30,000円 公告・官報なら40,000円 個別通知郵券242円×株主数 |
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定款の見直し、紛失定款の再現 |
38,500円(税込)~ |
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株主総会運営支援 | 下表をご覧ください |
※手数料には、基本的な議事録などの作成報酬を含みます。
※顧問契約を締結いただいている場合、割引きがございます。
業務の種類 |
司法書士の報酬【1】 |
実費 |
招集通知原案作成 招集通知発送代行 発送報告書 |
33,000円(税込)/議案 +株主数×1,100円(税込) |
株主数×特定記録郵便費用 |
株主総会シナリオ作成 | 55,000円(税込)~ | |
株主総会想定問答集作成 | 55,000円(税込)~ | |
株主総会予行演習 | 55,000円(税込)~ | |
株主総会受付事務 | 11,000円(税込)~ | |
株主総会立会い(総会事務局担当) | 110,000円(税込)~ | |
株主総会議事録作成 | 11,000円(税込)~ | 【2】 |
取締役会議事録作成 | 11,000円(税込)~ | |
登記申請 | コチラをご覧ください。 | |
日当【3】 | 11,000円(税込)~ |
【1】司法書士報酬・手数料は、議案の種類・数、株主の数により加算いたします。
【2】株主から提訴を受ける可能性が高い場合や、録音反訳を要するような長時間にわたる株主総会の場合には、反訳会社に反訳文を外注しますので、実費をご負担ください。
【3】上記業務を事務所外で行なう場合で、移動時間が片道1時間を超える場合
株券がない理由によります。株券がない理由とその対処方法は、次の三通りです。
1.株券不発行会社の場合(登記簿に「株券を発行する」との記載がない会社の場合)
株式の売買に株券は不要ですので、問題なく売買できます。
2.株券発行会社(登記簿に「株券を発行する」との記載がある会社)だが、株券を一度も発行していない場合
(1)株券発行会社において株式譲渡する際には、通常の流れは次のとおりです(最高裁昭和33年10月24日判決)。
①譲渡人が、会社に対して株券発行請求をし、
②会社が株券を発行し、
③譲渡人・譲受人が共同して株券を添付して、株主名簿書換請求をし、
④会社が株主名簿発行する。
(2)さらに、株券発行後、株券不発行会社に移行するには、株券提供公告が必要になります。
(3)これでは、大変な手間とお金がかかります。そこで、次のとおりの手順をご提案します。
【結論】
株券発行会社において、株式譲渡をするためには、次のとおりの手順が良いです。
(1)まず、株券不発行会社への移行を先に行ない(過去に株券を本当に発行していないかを要確認)
(2)その後、株式譲渡を行ってもらう(売買に株券は不要)。
3.株券発行会社だが、株主が株券を紛失していた場合(登記簿に「株券を発行する」との記載がある会社の場合)
(1)株券を紛失した株主が会社に対して、株券喪失登録を申請します(会社法223)。
(2)会社は株券喪失登録簿を作成します(会社法221)。
(3)株券喪失登録を申請した株主が株券を見つければ、株券喪失登録の抹消を申請します
(4)喪失登録の翌日から1年経過すれば、株券は無効となって新株券が再発行されます(会社法228)。
(5)株主は新株券を提出して、譲受人とともに会社に対して、株主名簿の書換請求を行ないます。
(平成31年3月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔
下表のとおりです。
(平成31年4月・あなまち司法書士事務所・司法書士荻野永倫)
株券不発行会社へ | ||||
移行前 |
移行後
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「会社管理株主名簿上の名義人」と「喪失登録者(しようとする者)」が | ||||
同一人物のとき | 別人物のとき | |||
喪 失 登 録 |
有 |
【原則】株券廃止の効力発生日に株券喪失登録を抹消しなければならない(会社法227本文)。 【例外】(株券喪失登録者とは別の)株券を所持する者が株券を会社に提出して株券喪失登録の抹消を申請しているとき(225Ⅱ) ☛株券廃止の効力発生日に、株券喪失登録を抹消できず、株券喪失登録が継続する。この場合、会社は、株券喪失登録の抹消の申請があったことを株券喪失登録者に通知し、この通知から2週間経過後、株券喪失登録を抹消する(225Ⅳ前段)。
※株主総会で議決権行使可能(230Ⅲ反対解釈) |
株券廃止の効力発生日に株券喪失登録を抹消できない。 株券喪失登録者は、株券喪失登録がされた日の翌日から1年経過した日以降に(230Ⅰ②)、株主名簿の書き換えを請求できる(会133Ⅱ、会社施行規則22Ⅰ⑨)。
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☓(株券喪失登録請求できない)
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無 |
株券喪失登録可能
※株主総会で議決権行使可能
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株券喪失登録可能
※株主総会で議決権行使できない(130Ⅱ)
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☓(株券喪失登録請求できない) |