医療法人の役員（理事長・理事・監事）の変更手続

1. 医療法改正（平成28年9月1日）前後の相違点
2. 役員（理事長・理事・監事）を選ぶときの注意点
   1. 選任機関
   2. 兼任等の禁止
3. 役員（理事長・理事・監事）を変更したときに必要な手続
   1. 理事長に変更があったとき
   2. 理事・監事に変更があったとき
4. 役員（理事長・理事・監事）に変更がなくても必要な手続（役員の任期）
   1. 役員の任期
   2. 具体的な計算例
   3. 設立後最初の任期
   4. 古い就任日
5. 理事長変更登記の添付書類
6. 司法書士の報酬・費用
7. 登記懈怠・選任懈怠に対する過料
8. 人気の関連ページ

理事３人以上

監事１人以上（医46の5Ⅰ）

社団医療法人は社員総会（医46の5Ⅱ）

財団医療法人は評議員会（医46の5Ⅲ）

２年。２年を経過すれば「仮理事選任」が必要。

∵権利義務役員の規定がなかったため

任期満了（予定日）

この時間までに再選（予選【1】）すれば「重任」できる。

H30.9.2（_00:00）重任

医療法人は重任日がどうやっても、１日ずつズレていきます。

現理事長の再選、就任承諾。

起算日（∵民法140条）

R2.9.1（_24:00）退任

R2.10.3（_11:00）就任

就任日が平成１９年４月１日以降で、

任期満了が平成２８年８月３１日以前

任期満了が平成２８年９月１日以降

改正附則（平成18年6月21日法律第84号）第11条（役員の任期に関する経過措置）

医療法第46条の5の3〔役員等に欠員を生じた場合の措置〕

(平27年法律第74号により追加。平成28年9月1日施行。)

1. この法律又は定款若しくは寄附行為で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員（次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。）が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。　
2. ～3.（略）

1. 役員（監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。）が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員（次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。）が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
2. ～8.（略）

• 医療法第46条の5の3が、会社法第346条をそのまま持ってきたものであることが、よく分かりますよね。
• 医療法人が、権利義務役員制度を導入してくれるまでは、理事が欠けてしまうと仮理事を選任しなければならなかったので大変でした。
• 権利義務役員制度が導入されたことにより仮理事の制度（旧法第46条の4第５項）は、廃止されました（平成28年9月1日付法務省民事局商事課長通知第132号）。

【4】仮理事制度

旧・医療法第46条の4第5項

（平成20年12月1日施行～平成28年9月1日「仮理事制度」廃止）

• 定款（平成28年改正医療法により、医療法人は理事会設置が法定されたため常時必要ではなくなった。）
• 社員総会議事録（理事長が前提資格たる理事になっていることを証明するため）
• 理事会議事録
• 理事長が理事・理事長に就任を承諾したこと証する書面
• 理事会議事録署名者全員（理事及び監事）の印鑑証明書（理事長が権限をもって法人印を押印するときは不要）
• 理事長が医師又は歯科であることを証す書面
• （司法書士に委任するとき）委任状

• （上記に加えて）定款

• （上記に加えて）理事及び監事の印鑑証明書

●理事会議事録に代表理事と監事のみが押印すればよい旨の定款規定があり、実際に他の理事が押印しないとき（医49の7の2Ⅰ、一般法人法95Ⅲ括弧書き）

• （上記に加えて）定款

• 理事長変更登記申請書作成、登記申請
• 議事録等作成
• 法人登記事項証明取得(1通)

登記すべき事項を登記しなかった

（＝登記懈怠）

期限内に選任すべき理事を選任しなかった

（＝選任懈怠）