既存取引先や新規取引先は安全なのか、顧問先を訪問すると、相談される項目の一つです。
決算書から簡単に分かる安全性分析6つの指標をご紹介します。
もくじ | |
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事業活動を返済義務のない自己資本で行っているのか?
それとも、借金でおこなっているのか?
を示す重要な指標です。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
自己資本比率=純資産÷資産合計 | 50%以上 | 超優良 |
30%以上 | 優良 | |
10%未満 | 危険 | |
マイナス | 倒産寸前 |
1年間の短期的な安全性を示す指標です。
「1年内にお金に変わりそうなもの」である流動資産を、「1年内に返済義務のある」流動負債で割った比率です。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
流動比率=流動資産÷流動負債 | 200%以上 | 超優良 |
120%以上 | まあまあ | |
100%未満 | 危険 |
1年間の短期的な安全性(負債返済の可否)を示す指標です。
流動比率よりも厳しく判定する場合に使います。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
当座比率=(現金預金+受取手形+売掛金+有価証券)÷流動負債 又は 当座比率=(流動資産ー棚卸資産)÷流動負債 |
100%以上 | 理想 |
すぐにお金に換えられない固定資産を、
返済義務のある負債で買っているのか?
自己資本で持っているのか?
を示す指標です。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
固定比率=固定資産÷純資産 |
100%未満 | 理想 |
長期的な安全性(負債返済の可否)を示す指標です。
上の固定比率を緩和した指標です。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
固定長期適合率=固定資産÷(純資産+固定負債) |
80%程度 | 平均的水準 |
100%超 | 危険 |
全く売上のない状態が、何か月続いても大丈夫かを示す指標です。
計算方法 | 計算結果 | 優劣 |
手許流動性 =(C/Fの)現金及び現金同等物の期末残高÷月平均売上【1】 |
100~150% (1~1.5か月分) |
望ましい |
【1】 月平均売上=(P/Lの)売上高÷12か月
(参考)「会計のプロがやっているA4一枚決算書速読術」日本実業出版社・公認会計士香川晋平著
少なくともとも3期分の決算書を取り寄せ、分析します。
売上の著しい減少が生じている場合、その理由も確認する必要があります。
重要顧客喪失、法改正による事業の制約などの場合には、危険です。
損益計算書の「経常利益」欄にマイナスや▲がついている場合は、経常損失が出ています。
3期連続の経常損失は、要注意です。
3期連続の営業活動キャッシュフローのマイナスは、要注意です。
種類 |
具体例 |
営業活動によるキャッシュフロー |
売上収入 仕入支出 給与支出 |
投資活動によるキャッシュフロー |
固定資産・有価証券の売却収入 固定資産・有価証券の購入支出 |
財務活動によるキャッシュフロー |
株式発行による収入 借入金による収入 借入金返済による支出 配当支払による支出 |
債務超過とは、会社が持っている資産(BSの左)よりも、将来返済義務のある負債(BSの右上)の方が大きい(=純資産の金額〔BSの右下〕がマイナス)状態です。
危険な兆候です。
軽傷 ▲ ▼ 重傷 |
【損失】とは、利益剰余金がマイナスのこと。 【欠損】とは、分配可能額がマイナスで、資本金や準備金に食い込んでいること。 【債務超過】とは、その食い込みが激しく、資産よりも負債が大きいこと。 |