役所、銀行、司法書士から定款の提出を求められた。
どうしても定款が必要だけれど、社内で見当たらない。
そういう場合にどうすれば良いのか、このコラムではお話しします。
貴社にとってハードルが低い順に、並べると次のとおりです。
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設立登記を担当した司法書士であれば、間違いなく貴社の定款を保管していると思います。
どの司法書士が担当したのかは、領収書や名刺をお探しいただければ幸いです。
合同会社の場合、設立時に定款認証を受けていない(公証役場に定款が保管されていない)ため、公証役場に申請してもダメです。
【公証人の管轄】
設立時の本店、設立時の商号が必要です。
認証番号が分かっている場合:申請用総合ソフトから申請できる。
認証番号が分からない場合:公証役場に問い合わせれば、認証番号を教えてくれる。
事前の有無検索:設立時の本店所在地を管轄する公証役場に対して行います。
謄本又は同一情報の提供:原始定款をもっている公証人に限らず。全国どこでもいける。
【検索】
設立時に電子定款で申請していた場合:検索してあれば、番号を伝えるので、オンライン申請しかできない(すなわち、電子署名できる環境にないと、出頭しても交付されない。)。
∵電子定款は「同一情報の提供」になるため。
設立時に紙の定款で申請していた場合:出頭すれば謄本を交付してもらえます。
【再発行の期限】
20年経つとだめ。
【必要書類】
委任状(発起人の実印・個人印鑑証明書)
委任状(会社代表者の実印・法人印鑑証明書・法人履歴事項全部証明)
【費用】
公証人:1通につき700円+20円×枚数(通常、千いくら)
司法書士報酬:報酬1.1万円+日当+実費数千円
【流れ】
司法書士から委任状を郵送
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押印返却、費用お振込
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公証役場に申請
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司法書士が公証役場に出頭して、認証後定款を取得
管轄法務局は、登記申請の添付書類を保管しています。
そして、原始定款は会社設立登記の添付書類ですので、保管されている可能性があります。
そこで、登記申請書の付属書類の閲覧・謄写をする方法があります。
ただし、閲覧の範囲を「利害関係の認められる範囲」に限定されることもあります。
【保管期限】
受付~10年
※令和1年10月改正前は5年
(商業登記規則34Ⅳ④)
【流れ】
ご依頼
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利害関係の有無について、法務局と協議
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司法書士から委任状を郵送
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押印返却、費用お振込
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法務局に出頭・閲覧・謄写申請
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司法書士が法務局に出頭して、認証後定款を取得
【司法書士報酬】
2.2万円+日当+実費(交通費)
例えば、兵庫県であれば、保健医療部 医務課(〒650-0011 兵庫県神戸市中央区下山手通5丁目10−1/電話番号: 078-362-3606)に、医療法人が存続している限り、最新定款をずっと置いているとのことです。情報提供依頼書(下の写真)に記入すれば、誰でも閲覧することが可能で、コピー代(10円/枚)のみが必要です。
(なお、兵庫県の場合には、医療法人の事業報告書等をインターネット上で閲覧可能で、ここに直近の役員の情報なども記載されています。)
以下の法人の場合には、監督官庁が保管している可能性がありますので、所轄官庁に問合せをしてみます。
銀行は会社法人名義の預金口座を開設する際には、貴社から定款の提出を受けています。
もっとも銀行は社内書類を貴社に提出する義務を負っている訳ではありませんから、貴社と銀行との関係性にもよると思います。
まだ諦めないでください。大丈夫です。
当グループの紛失定款再現サービスによって、定款を再現することも可能です。