コロナ危機を契機に、バーチャル総会・ハイブリッド総会などの単語がネット上に見受けられるようになりました。
司法書士が実務経験を元に、バーチャル総会・ハイブリッド総会の開催のために必要なノウハウをお伝えします。
もくじ | |
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バーチャル総会とは、何がバーチャルなのか?!
ハイブリッド総会とは、何と何が組み合わさっているのか?!
下表をご覧ください。
大
↑
バ │ チ ャ ル 度
↓
小 ・ 無 |
バーチャルオンリー 株主総会 |
リアル株主総会を開催しない。 株主・役員だけでなく代表取締役も「株主総会という場」に出席せず、全員が自宅などに居ながら行なう株主総会。
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こ の 3 つ を ま と め て バ │ チ ャ ル 株 主 総 会 と い う【2】 |
ハイブリッド「出席型」 株主総会【1】
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リアル株主総会を開催する。 株主総会の場に居ない株主は・・・
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ハイブリッド「参加型」「傍聴型」 株主総会【1】 |
リアル株主総会を開催する。 株主総会の場にいない株主は・・・
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リアルオンリー 株主総会 |
役員株主が一か所に参集して行なう株主総会。 |
【1】経済産業省の定義は次のとおりです。
ハイブリッド「出席型」 バーチャル株主総会 |
リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の開催場所に在所しない株主が、インターネット等の手段を用いて、株主総会に会社法上の「出席」をすることができる株主総会をいう。 |
ハイブリッド「参加型」 「傍聴型」バーチャル株主総会 |
リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の開催場所に在所しない株主が、株主総会へ法律上の「出席を伴わず」に、インターネット等の手段を用いて審議等を確認・傍聴することができる株主総会をいう。 「傍聴型」と言い換えようという動きがある。 |
【2】2020年度版・ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド・経済産業省
株主総会招集通知には、開催場所の記載が義務づけられている(会社法298Ⅰ①、299)。
株主総会議事録には、開催場所の記載が義務づけられている(会社法318Ⅰ、会社法施行規則72Ⅲ)。
令和2年12月1日成長戦略会議において、バーチャルオンリー型を容認すべく関連法案を通常国会に提出予定。
株主総会議事録の法定記載事項について定めた会社法施行規則72Ⅲ①括弧書きには、次の記載があります。
当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が株主総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。 |
「そこに存在せずに、出席する方法」すなわちインターネットを通じたバーチャル出席ということです。
経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」
メリット | 留意事項 |
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2020年2月26日経済産業省策定・ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドより。但し留意事項「7、8」は当職において加筆した。
メリット | 留意事項 |
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2020年2月26日経済産業省策定・ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイドより。
「株主の顔と氏名が一致する」規模であれば、「出席型」での開催をオススメしています。
取締役会議事録 | ||
令和2年〇月〇日午前9時30分から、当社本店会議室及び当社大阪支店会議室において、インターネット回線及びWeb会議用装置からなるWeb会議システムを用いて、取締役会を開催した。 | ||
開催場所 | 東京都○○区○○1-1-1当社本店会議室 | |
大阪大阪府大阪市○○区○○2-2-2当社大阪支店会議室 | ||
出席取締役及ぴ監査役 | 当社本店会議室 取締役A、B及び監査役D | |
当社大阪支店会議室 取締役C(Web出席) 【1】 | ||
上記のとおり、本店会議室及ぴ大阪支店会議室における全取締役及び監査役の出席が確認され、代表取締役Aが議長となって、本取締役会はWeb会議システムを用いて開催する旨宣言した。 | ||
Web会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることが確認されて、議案の審議に入った。 | ||
第1号議案 定時株主総会招集の件 | ||
議長は、今般株主総会を招集する必要がある旨を述べ、その審議を諮ったところ、全会一致をもって下記のとおり承認可決した。 | ||
開催日時 | 令和2年〇月〇日(曜日)午前〇時より | |
開催場所 | 東京都○○区○○1-1-1当社本店大ホール | |
会議の方法 | 株主及び役員に対してWeb会議システムを用いた出席を認める。 | |
会議の目的たる事項 | 第1号議案 事業報告及び計算書類等承認の件 | |
第2号議案 定款変更の件 | ||
第3号議案 取締役1名選任の件 | ||
第2号議案 定時株主総会に提出する議案 | ||
議長は、定時株主総会に提出する議案を次のとおりとしたい旨を述べ、その審議を諮ったところ、全会一致をもって下記のとおり承認可決した。 |
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(報告事項) 1.当期事業報告の件(別紙「事業報告書」記載のとおり) 2.監査報告(別紙「監査報告書」記載のとおり) (決議事項) 1.第〇期貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表承認の件 別紙「」記載のとおり 2.定款変更の件 ・・・・・ 3.取締役1名選任の件 ・・・・・ |
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以上、本日のWeb会議システムを用いた取締役会は、終始異状なく議案の審議を終了したので、議長は午前11時10分閉会を宣言した。 | ||
この議事の経過の要領及ぴ結果を明確にするため、本議事録を作成し、出席取締役及び監査役はこれに記名捺印する。 | ||
令和〇年〇月〇日 | 株式会社〇〇 取締役会 | |
議長代表取締役 〇〇〇〇 ㊞ (議事録作成者) |
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出席取締役 〇〇〇〇 ㊞ | ||
出席取締役 〇〇〇〇 ㊞ | ||
出席監査役 〇〇 〇 ㊞ |
【1】会社法施行規則101Ⅲ①
なお、一般社団法人の理事会にも同様の規定があります(一般社団法人法施行規則15Ⅲ①)。
定時株主総会議事録 | ||
令和2年〇月〇日午前9時30分から、当社本店会議室において、Web回線及びWeb会議用装置からなるWeb会議システムを用いて、定時株主総会を開催した。 | ||
議決権ある当社株主総数 | 〇名 | |
議決権ある発行済株式総数 | 〇株 | |
総株主の議決権数 | 〇個 | |
本日出席株主数 | 〇名(委任状出席及びWeb出席を含む)【2】 | |
この議決権のある持株総数 | 〇株 | |
この議決権数 | 〇個 | |
上記のとおり出席が確認され、代表取締役Aは議長席に着き、開会を宣言した。 | ||
また、Web会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることが確認されて、議案の審議に入った。 | ||
第1号議案 事業報告及び計算書類等承認の件 | ||
議長は、・・・ | ||
第2号議案 定款変更の件 | ||
議長は、・・・ | ||
第3号議案 取締役1名選任の件 | ||
議長は、・・・ |
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以上、本日のWeb会議システムを用いた定時株主総会は、終始異状なく議案の審議を終了したので、議長は午前11時10分閉会を宣言した。 | ||
この議事の経過の要領及ぴ結果を明確にするため、本議事録を作成し、出席取締役及び監査役はこれに記名捺印する。 | ||
令和〇年〇月〇日 | 株式会社〇〇 定時株主総会 | |
議長代表取締役 〇〇〇〇 ㊞ (議事録作成者) |
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出席取締役 〇〇〇〇 ㊞ | ||
出席取締役 〇〇〇〇 ㊞ | ||
出席監査役 〇〇 〇 ㊞ |
【2】会社法施行規則72Ⅲ①。
なお、一般社団法人の理事会にも同様の規定があります(一般法人法施行規則11Ⅲ①)。
株式実務の確立に影響力のある東京株式懇話会が、2021年10月22日付「バーチャル総会の運営実務」を公開していますので、ご参照ください。
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