会社法人設立後の必要手続と、それぞれを担当する専門家士業【司法書士が解説】


会社や法人を設立した後には、多くの手続きが待っています。

これらの手続の要否は、会社法人の状況や従業員の有無によって異なります。

大半の手続きは、専門家に外注可能ですので、ご安心ください。

 

信頼に足る専門家に、最新の情報を確認し、手続きを行うことが重要です。

当グループで設立登記を担当させていただいた場合、専門家のお知り合いがいらっしゃらないときには、一流の専門家をご紹介いたしますので、ご遠慮なくお申し付けください。

もくじ
  1. まとめ(提出先ごと)
  2. 法務局(登記所)
  3. 税務署
  4. 都道府県税事務所
  5. 市町村役場
  6. 年金事務所(旧・社会保険事務所)
  7. ハローワーク(公共職業安定所)
  8. 労働基準監督署
  9. 各許認可庁
  10. 特許庁
  11. その他行政機関
  12. 金融機関
  13. 法人設立ワンストップサービス

〔凡例〕この記事では、以下のとおり略記します。

  • 会:会社法
  • 法人法:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

まとめ(提出先ごと)


一覧にすると次のとおりです。

なお、詳しい解説は、後ほどいたします。

提出先 手続名(●=必須、▲=法人による) 担当専門家
法務局(登記所) ●会社法人の設立登記 司法書士
▲会社法人の登記簿謄本、印鑑証明書の取得

最初は司法書士

その後は法人様

税務署 ●法人設立届出書 税理士    
●給与支払事務所等の開設届出書
●消費税関係の届出書
▲青色申告の承認申請書
都道府県税事務所 ●法人設立届出書
市町村役場 ●法人設立届出書

年金事務所

(旧・社会保険事務所)

●健康保険・厚生年金保険 新規適用届 社会保険労務士
●健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

ハローワーク

(公共職業安定所)

▲雇用保険適用事業所設置届
▲雇用保険被保険者資格取得届

労働基準監督署

▲適用事業報告書
▲労働保険 保険関係成立届
▲労働保険 概算保険料申告書
各許認可庁 ▲厚生労働省系の許認可、届出 社会保険労務士
▲上以外の許認可、届出 行政書士
特許庁 ▲実用新案権・特許権・意匠権・商標権など知的財産の登録 弁理士
その他行政機関 ▲補助金・助成金など

社会保険労務士

中小企業診断士

行政書士

金融機関 ●法人の銀行口座開設 社長様がご自身で

法務局(登記所)【担当専門家:司法書士】


会社法人の設立登記

  • 目的:会社や法人は、会社法人登記をすることによって、法人格を獲得します。
  • 期限:
    • 株式会社:①設立時取締役(及び設立時監査役)による設立に関する事項の調査が終了した日又は②発起人が定めた日から2週間以内(会社法911Ⅰ)。期限徒過には過料の制裁がある(会社法976①)。
    • 合同会社・合名会社・合資会社:期限なし(会社法912、913、914を参照)
    • 一般社団法人:①設立時理事(及び設立時監事)による設立に関する事項の調査が終了した日又は②設立時社員が定めた日から2週間以内(法人法301Ⅰ)。期限徒過には過料の制裁がある(法人法342①)

 

会社法人の登記簿謄本、印鑑証明書の取得

全国どの法務局・地方法務局・支局・出張所でも、貴社の「登記簿謄本、印鑑証明書」を取得することが可能です。

印鑑証明書を取得するためには「印鑑カード」と「社長様の生年月日」が必要です。

税務署【担当専門家:税理士】


法人設立届出書

  • 目的: 会社設立と法人概要を税務署に通知し、法人税などの納税義務を開始するため。
  • 期限: 会社設立後(設立登記の日から)2か月以内に提出。
  • 対象者:内国法人である普通法人又は協同組合等(法人税法別表第三に掲げる法人)
  • 非対象者:非営利型の一般財団法人又は一般社団法人
  • 参照URL:国税庁HP「C1-4 内国普通法人等の設立の届出」

 

給与支払事務所等の開設届出書

 

消費税の各種届出書

 

消費税課税事業者届出書

 

青色申告の承認申請書

  • 目的: 青色申告制度を利用するために必要な承認を税務署から得るため。
  • 期限: ①設立から3か月を経過した日の前日又は②第1期事業年度終了日の前日のいずれか早い日まで。
  • 青色申告のメリット
    • 欠損金の繰越控除
    • 欠損金の繰り戻し還付
    • 特別償却と特別控除
    • 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入
    • その他 課税の特例
  • 参照URL:国税庁HP「C1-19 青色申告書の承認の申請」

 

その他

税務署に対する届出については、国税庁HP「タックスアンサーNo.5100 新設法人の届出書類」もご参照ください。

その他、次のような届出があります。

  • 棚卸資産の評価方法の届出
  • 減価償却資産の償却方法の届出
  • 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出
  • 定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請
  • 消費税課税事業者選択届出
  • 消費税課税期間特例選択・変更届出
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
  • 事前確定届出給与に関する届出
  • 消費税申告期限延長届出
  • 消費税簡易課税制度選択届出
  • 適格請求書発行事業者の登録申請

顧問税理士のアドバイスに従い、貴社にとって必要な各種届出を行ってください。

当グループでは、優秀な税理士の先生を、貴社の顧問としてご紹介することも可能です。

なお、紹介による手数料は発生しません。

都道府県税事務所【担当専門家:税理士】


法人設立届出書

  • 目的:法人事業税や地方税の納付義務を開始するために、都道府県に法人設立を通知する。
  • 期限: 設立登記後、15日~1か月以内に提出(都道府県によります。)。
  • 参照URL:総務省HP「法人事業税」

市町村役場【担当専門家:税理士】


法人設立届出書

  • 目的: 法人住民税の納付義務を開始するために、市町村に法人設立を通知する(東京都23区は不要)。
  • 期限:設立登記後、15日~1か月以内に提出(市町村によります。)。
  • 参照URL:総務省HP「法人住民税・法人事業税」

年金事務所(旧・年金事務所)

【担当専門家:社会保険労務士】


健康保険・厚生年金保険 新規適用届

  • 目的: 健康保険や厚生年金保険の適用事業所として登録し、従業員が社会保険に加入できるようにするため。
  • 対象:常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所
  • 期限: 事実発生から5日以内。
  • 参照URL:日本年金機構HP「新規適用の手続き」

 

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

  • 目的:従業員が社会保険に加入する資格を取得したことを届け出るため。
  • 対象:社長様がお一人の会社でも、届出が必要。
  • 期限:従業員がいる場合、事実発生から5日以内。
  • 参照URL:日本年金機構HP「2-1:従業員を採用したとき」

ハローワーク(公共職業安定所)

【担当専門家:社会保険労務士】


雇用保険適用事業所設置届

 

雇用保険被保険者資格取得届

労働基準監督署【担当専門家:社会保険労務士】


適用事業報告書

  • 目的:業種を問わず、労働者を使用するに至ったときに、労働基準法の適用対象となる事業所であることを届け出るため(労働基準法第104条の2、労働基準法施行規則第57条)
  • 期限: 労働者を雇用する場合、速やかに提出。
  • 参照URL:厚生労働省HP「主要様式ダウンロードコーナー」

 

労働保険 保険関係成立届

  • 目的: 労災保険と雇用保険の適用事業所として登録し、労働者が保護されるようにするため。
    労働者でない会社社長や役員であっても「労災保険への特別加入」をすることができます。
  • 期限: 労働者を雇用する場合、保険関係の成立の翌日から10日以内。
  • 参照URL:厚生労働省HP「労働保険の成立手続」

 

労働保険 概算保険料申告書

 

各許認可庁

【担当専門家:厚生労働省系=社会保険労務士、左以外=行政書士】


事業ごとに必要な許認可の申請や届出

特許庁【担当専門家:弁理士】


実用新案権・特許権・意匠権・商標権など知的財産の登録

特許庁【担当専門家:弁理士】


補助金・助成金など

  • 創業する事業の種類によっては、補助金や助成金を受け取れる場合もあります。
  • 補助金や助成金の「具体的な種類」をお伝えいただければ、専門家をご紹介可能です。なお、「使える補助金・助成金を探して」というご要望には応じられませんのでご容赦ください。
  • 補助金や助成金は、提出先によって、担当専門家は社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士となります。

金融機関


法人口座開設

法人設立ワンストップサービス


デジタル庁が旗振り役となって「法人設立ワンストップサービス」を提供しています。

これは約40の手続きを一括して行うものですが・・・見るからに使いづらそうです。

ご興味がありましたら、一度、ご覧ください。