会社設立登記手続は、打ち合せ完了後は、ほとんど司法書士が単独で進めることができます。
ほぼ唯一ご本人がやっていただく必要がある手続があります。
それが出資の履行(通帳への出資金の入金又は振込)です。
そして、残念ながら失敗されることが多いです。
ご注意いただくべき点をまとめました。
会社設立にあたって新しい通帳を作る必要はありませんが、以下の注意点がございます。
会社法第34条第2項で次のとおり定められています。
- 銀行(銀行法〔昭和56年法律第59号〕第2条第1項に規定する銀行)
- ゆうちょ銀行も可能になりましたが、平成27年10月1日以前に発行された通帳には「住所」の記載があり、この住所が「発起人の現住所」と相違する場合には、住民票などで「通帳住所」と「現住所」との関連をつける必要があります。
- ネットバンクも利用可能です。
- 信託会社(信託業法〔平成16年法律第154号〕第2条第2項に規定する信託会社)
- 法務省令(会社法施行規則第7条)で定めるもの
- 株式会社商工組合中央金庫
- 農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第10条第1項第3号の事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会
- 水産業協同組合法(昭和23年法律第242号)第11条第1項第4号、第87条第1項第4号、第93条第1項第2号又は第97条第1項第2号の事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会
- 信用協同組合又は中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第9条の9第1項第1号の事業を行う協同組合連合会
- 信用金庫又は信用金庫連合
- 労働金庫又は労働金庫連合会
- 農林中央金庫
- 登記が完了するまで会社名義の口座を作ることはできませんので、発起人の個人口座に入金します。
- 営利性のある口座はダメです。EX『佐藤商店こと佐藤大輔』はダメです。【1】
- 出資しない(発起人でない)代表取締役の口座に入金はダメです。別途発起人から代表取締役への委任状が必要になります。
- 発起人が2人以上の場合
- それぞれの口座に入れてもOKです。
- 発起人のうちの一人の口座に、全員が入金してもOKです。
- 合同会社の設立の場合、社員口座であればOKです。業務執行社員や代表社員口座である必要ありません。
- 法人発起人の場合であっても、当該法人発起人名義の口座に入金すればOKです。
【1】この点、法務省民事局総務課長・松井信憲氏は「仮に、銀行の実務において、設立中の会社の肩書きを付すことが許されれば、肩書付きの名義でもよい。」とされる(松井信憲・商業登記ハンドブック〔第4判〕・商事法務・2021.7・111頁)。万一この論点で補正となったときには主張してみるのも良いと思われます。
ネットバンクも利用可能です。
ご自宅で印刷して、司法書士に提出いただくか
スクリーンショットを撮って、司法書士にメール添付にてご提出ください。
※ネットバンクでお振込みされる場合、一日の振込限度額にも注意してください。
プリントアウトする場合の注意点は、次のとおりです。
- A4用紙にプリントしてください。
- 白黒プリントで結構です。