特定労働者協同組合の設立


特定労働者協同組合とは、労働者協同組合のうち、非営利性を徹底した組合であることについて都道府県知事の認定を受けた組合のことで、概ねNPO法人並みの税制上の優遇措置が講じられています。

そして、その分、義務も加重されています。

皆様が「通常の労働者協同組合にするか、特定労働者協同組合になるか」を決めるうえで、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

もくじ
  1. 特定労働者協同組合とは
    1. 都道府県の認定を受けるために必要な基準
  2. 特定労働者協同組合のメリット
    1. 税制上の優遇措置
  3. 特定労働者協同組合のデメリット
    1. 特定労働者協同組合が加重される義務
    2. 剰余金の配当はできません。
    3. 残余財産分配に制限があります。
    4. 剰余金配当を決定・実行したり、残余財産分配制限に反する決定をしていないことが必要です。
    5. 親族経営が許されなくなります。
  4.  特定労働者協同組合の機関
    1. 必須機関(機関設計)
    2. 組合員総会
    3. 理事
    4. 理事会
    5. 監事
  5. 特定労働者協同組合の定款記載事項と登記事項
  6. 特定労働者協同組合設立の流れ
  7. 司法書士の報酬・費用
  8. 人気の関連ページ
  9. 参考文献

特定労働者協同組合とは


特定労働者協同組合とは、労働者協同組合のうち、非営利性を徹底した組合であることについて都道府県知事の認定を受けた組合のことで、概ねNPO法人並みの税制上の措置が講じられています。

 

特定労働者協同組合の認定申請のためには、まずは通常の労働者協同組合を設立する必要があります。通常の労働者協同組合設立当初から認定基準を充足する必要がありますので、ご注意ください。

以下の内容については「労働者協同組合の設立」をご参照ください。

  1. 労働者協同組合とは(基本ルールなど)
  2. 労働者協同組合のメリット(解決した課題)
  3. どんなときに「労働者協同組合」を設立すればよいか?

都道府県の認定を受けるために必要な基準

次のような基準をすべて充たす必要があります(法94の3)。

  1. 定款に「剰余金の配当を行わない」旨の定めがあること。
  2. 定款に「解散時に組合員に出資額限度で分配した後の残余財産は、国・地方公共団体・他の特定労働者協同組合に帰属する」旨の定めがあること。
  3. 1.2.の定款違反行為を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
  4. 各理事の親族等の関係者が理事総数の1/3以下であること。

特定労働者協同組合のメリット


税制上の優遇措置

  • 法人税について、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得について、非課税。
  • 出資金の額が1千万円を超えると税率が上がる法人住民税均等割について、出資金の額にかかわらず最低税率が適用。
  • 出資金の額が1億円を超える普通法人に適用される法人事業税外形標準課税について、非課税。
  • 公益法人等の軽減税率及び寄附金の損金不算入制度については適用されず、普通法人と同様の扱い。
  NPO法人 特定労働者協同組合 労働者協同組合
法人税法上の位置付け  公益法人等 公益法人等 普通法人
法人税の課税対象 法人税法上の収益事業から生じた所得にのみ課税 法人税法上の収益事業から生じた所得にのみ課税 全ての所得に課税
法人税率
  • 年800万円以下の部分
    →15%
  • 年800万円超の部分
    →23.20%

○資本金1億円以下の法人

  • 年800万円以下の部分
    →15%
  • 年800万円超の部分
    →23.20%
○上記以外の法人
→23.20%

○資本金1億円以下の法人

  • 年800万円以下の部分
    →15%
  • 年800万円超の部分
    →23.20%
○上記以外の法人
→23.20%
寄附金に係る措置 あり なし なし
法人住民税(均等割) 最低税率 最低税率 資本金等の金額や従業者数に応じて税額が増加。

(以上、特定労働者協同組合の税制優遇措置について、多様な働き方を実現し、地域社会の課題に取り組む労働者協同組合/厚生労働省/最終アクセス240722を引用。)

特定労働者協同組合のデメリット


税務上の優遇措置の大きい「特定労働者協同組合」ですが、その分、デメリットもございます。

① 特定労働者協同組合が加重される義務

特定労働者協同組合は、特定認定を受けていない通常の労働者協同組合に比較して、次の義務が加重されます。

  • 特定労働者協同組合は、毎事業年度一回、報酬規程等【1】を行政庁に提出しなければならない(法94の13)。
  • 行政庁は、特定労働者協同組合から提出を受けた報酬規程等、貸借対照表若しくは損益計算書(過去五年間に提出を受けたものに限る。)又は定款について閲覧又は謄写の請求があったときは、これらの書類(役員名簿については、これに記載された事項中、個人の住所に係る記載の部分を除いたもの)を閲覧させ、又は謄写させなければならない(法94の14)。
  • 特定労働者協同組合の清算人は、清算が結了したときは、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない(法94の18)。cf.通常の労働者協同組合であれば、解散届出をすれば行政庁への届出は終了です。

【1】報酬規定等とは次の書類です(法94の12Ⅱ)

  1. 前事業年度の特定労働者協同組合の事業に従事する者に対する報酬及び給与の支給に関する規程
  2. 前事業年度の役員名簿(役員の氏名及び住所を記載した名簿)
  3. 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令(労働者協同組合法施行規則)で定める書類(下記)
    1. 役員に対する報酬の支給の状況(規則81の10①)
    2. 給与を得た職員の総数及び当該職員に対する給与の総額に関する事項(規則81の10②)

通常の労働者協同組合の義務(行政庁の監督内容)については、記事「労働者協同組合の設立」をご参照ください。

② 利益の分配(剰余金の配当)はできません。

特定労働者協同組合(非営利徹底法人)の場合

  • 剰余金の配当をすることができません(法94の15、法94の3①③、法136Ⅰ㉗)。
  • その定款に剰余金の配当を行わない旨の定めがあることが必要です(法94の3①)。

 

(比較)一般の労働者協同組合の場合

  • 非営利法人という性質上、出資額に応じた配当は禁止されています。ただし「組合員が組合の事業に従事した程度に応じて」配当(従事分量配当)することは可能です(法3Ⅱ⑤、法77Ⅱ)。

③ 残余財産分配に制限があります。

定款に「解散時に組合員に出資額限度で分配した後の残余財産は、国・地方公共団体・他の特定労働者協同組合に帰属する」旨の定めがあることが必要です(法94の3②)。

④ 剰余金配当や残余財産分配制限に反する決定していないことが必要です。

定款の定めに反する行為(前二号及び次号に掲げる基準の全てに該当していた期間において、剰余金の配当又は残余財産の分配若しくは引渡し以外の方法(合併による資産の移転を含む。)により特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含む。)を行うことを決定し、又は行ったことがないことが必要です(法94の3③)。

⑤ 親族経営が許されなくなります。

 

各理事(清算人を含む。以下この号において同じ。)について、当該理事及び当該理事の配偶者又は三親等以内の親族その他の当該理事と厚生労働省令で定める特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、三分の一以下であることが、必要です(法94の3④)

特定労働者協同組合設立の流れ


一般の労働者協同組合と全く同じ流れであれば「流れ」を削除し、「労働者協同組合ページ」へ誘導する。

法人設立のご決心

ご相談

最寄りの当グループ事務所にご相談ください。当グループでは、あなたのお話をジックリとうかがい、あなたの希望に最適な法人形態をご提案いたします。

発起人集め

  • 組合員になろうとする3人以上の者が発起人となることを要します(法22)。
  • どんな事業を、どの地域で行うのか協議しましょう。
  • 理事や監事の候補を選んでおくのもよいでしょう。
  • 理事は3名、監事は1名必要です(法32Ⅱ)。
  • 理事は組合員になろうとする者から選任する必要があります(法32Ⅳ)。

定款の作成

定款に記載すべき事項(法29)は、追って詳しく説明します。

公証人による定款認証は不要です。

創立総会の公告

  1. 発起人が、次の事項を公告します(法23Ⅰ)。
    1. 定款
    2. 会議の日時及び場所
      なお、厚労省HPでは「事業計画、収支予算の概要等を記載した設立趣意書も併せて公告することが望ましいです。(厚労省HP『知りたい!労働者協同組合法/よくある質問』最終アクセス240723)」とされています。
  2. 公告は、創立総会開催日の少なくとも2週間前までにしなければなりません(法23Ⅱ)。
  3. どのような公告方法(事務所に掲示、官報、日刊紙、電子公告)を採用するかについては
    • 「その方法は法定されていないので、発起人が設立事務所に掲示し、あるいは新聞に掲載する等適宜の方法をとればよい(厚労省HP『知りたい!労働者協同組合法/よくある質問』最終アクセス240723)」
    • 「この公告は、設立に同意し、組合員となろうとする者を広く求めるために行なうものだと思われますが、その方法については、労働者協同組合法では定められていません。よって、『その方法は法定されていないので、発起人が設立事務所に掲示し、あるいは新聞に掲載する等適宜の方法をとればよい』ものと考えられます(立花宏司法書士、西山義裕司法書士(著)『法人登記実務から見た労働者協同組合の運営』中央経済社/2023/83頁)」
    • 私見ですが、定款案をも公告することを求められていますので、コスト面から官報や日刊紙への公告掲載は困難だと思われます。したがって、(主たる公告として)事務所に掲示する方法を行ない、組合員を増やす目的を達するために(従として)SNSなどで告知するのも良いと思います。なお、組合成立後に労働者協同組合が行なうべき公告については、別途法律の定め(法29Ⅳ)がありますので、それに従う必要があります。

創立総会の開催

  1. 創立総会では次の事項を決定します(法23Ⅲ)。
    1. 発起人が作成した定款の承認【1】
    2. 事業計画の設定
    3. 理事3名以上、監事1名以上の選挙又は定款に定めて選任(法32Ⅲ、法32Ⅻ)【2】
    4. その他設立に必要な事項の決定
  2. 創立総会の議事は、組合員たる資格を有する者でその会日までに発起人に対し設立の同意を申し出たものの半数以上が出席して、その議決権の2/3以上で決します(法23Ⅴ)。
  3. 組合員は、各一個の議決権及び役員又は総代の選挙権を有します(法23Ⅷ→法11)。
  4. 書面や代理人で議決権を行使できますが、代理人となれるのは組合員に限り、5人以上の組合員の代理人にはなれません(法23Ⅷ→法11)。
  5. 会社法の株主総会決議不存在確認、無効確認の訴え(法23Ⅷ→会社法830)、株主総会等の決議の取消しの訴え(法23Ⅷ→会社法831)が、創立総会に準用されています。
  6. 創立総会の延期又は続行の決議があった場合でも、創立総会のための公告を再度行う必要はありません(法23Ⅵ)。

【1】創立総会では、定款の修正をすることもできます。ただし、組合員たる資格に関する規定については、修正できません(法23Ⅳ)。

【2】理事や監事を創立総会で選挙選任することなく「あらかじめ定款で定めること」は可能でしょうか?

「法32Ⅲただし書があるので無効」又は「創立総会で定款自体を承認するから有効」両説考えられます。またこの点について論じた論考が見つけられませんでした。実務では、リスク回避が鉄則ですので、法令通り「創立総会で選挙又は選任」するのが、無難です。

創立総会議事録の作成

  1. 創立総会の議事については、厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成する必要があります(法23Ⅶ)。
  2. 創立総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない(規則4Ⅲ)。
    1. 創立総会が開催された日時及び場所
    2. 創立総会の議事の経過の要領及びその結果
    3. 創立総会に出席した発起人又は設立当時の役員の氏名又は名称
    4. 創立総会の議長の氏名
    5. 議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称

理事会の開催

創立総会で理事が選任された後の設立事務については、理事が発起人から引き継いで行ないます(法24)。

最初の理事会では、次の事項を決定します。

  1. 主たる事務所の所在地
  2. 代表理事の選定

理事会議事録を作成します(設立登記の添付書類にもなります。)。

出資の払込み

理事は、組合員に第1回目の出資の払込みをさせます(法25)。

出資の払込みを行なった組合員について組合員名簿を作成し、主たる事務所に備え置きます(法10)。

設立登記の申請

出資の払込みが終了した日から2週間以内に、設立登記を申請します(登記令2Ⅰ)。

登記すべき事項については、追って詳しく説明します。

設立登記を申請した日が、労働者協同組合の設立日(成立日、誕生日)になります(法26)。

設立の届出

組合は、成立したときは、その成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨並びに役員の氏名及び住所を行政庁に届け出なければならない(法27)。

ここで「行政庁」とは、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事のことです。

その他の手続

次のような手続を行う必要があります。

  1. 銀行口座の開設(ご自身で)
  2. 物件契約(ご自身で)
  3. 社会保険、労働保険、労務関係の手続き(社会保険労務士が専門です。)
  4. 税務関係各種届け出(税理士が専門です。)
  5. 許認可の申請(行政書士が専門です。)

当グループでは、すべての専門家をご紹介することが可能です。

特定労働者協同組合の機関


必須機関(機関設計)

労働者協同組合の機関設計は、以下の三通りです。

  1. 総会+理事会+監事
    理事は組合員である必要があります(法32Ⅳ)が、監事はその必要はありません。
    なお、監事は組合の理事又は使用人にはなれません(法43)。
  2. 総会+理事会+組合員監査会(法54)
    組合員が20人を超えない場合に、定款の定めを設けることで監事の代わりに組合員による監査会を置く形式。組合員監査会は監査報告書を作成する義務を負う(法54Ⅲ)。
    小規模な組合で、監事のなり手が見つからない場合向け。
  3. 総会+総代総会(法71)+理事会+監事
    →組合員が200人を超える場合に、定款で別段の定めを設けることにより、総代会を設置することができる(=大規模組合向け)。

組合員総会

総会のルールは次のとおりです。

  • 組合員は、各一個の議決権及び役員又は総代の選挙権を有します(法11Ⅰ)。
  • 組合員は、定款で定めるところにより、書面又は代理人をもって、議決権又は選挙権を行うことができます(法11Ⅱ)。
  • 他の組合員でなければ、代理人となることができない(法11Ⅱ)。
  • 代理人は、五人以上の組合員を代理できません(法11Ⅴ)。
  • 代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければなりません(法11Ⅵ)。

理事

  • 理事は、組合の職務執行を行います(法38Ⅰ)。株式会社の取締役のような地位です。
  • 理事は、3名以上必要で(法32Ⅱ)、定数の1/3超の欠員が生じたときは、3か月以内に補充が必要です(法32Ⅵ)。
  • 理事は、組合員でならなければなりません(法32Ⅳ)。
  • 次のものは理事となることができません(法35、施行規則8)
    1. 法人
    2. 精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
    3. この法律等の法令に違反し、刑に処せられてから2年を経過していない者等
    4. 暴力団の構成員等
  • 理事は、総会で選びますが、選ぶ方法が何種類かありますので、下表を参照ください。 
      適用されるルール

総会において「選挙」

(法32Ⅲ)

無記名投票の方法(法32Ⅶ)
  • 投票は、一人一票(法32Ⅷ)

指名推薦の方法(法32Ⅸ)

  • 出席者中に異議がないときは、指名推薦の方法によって行うことができる(法32Ⅸ)
  • 被指名人をもって当選人と定めるべきかどうかを総会に諮り、出席者の全員の同意があった者をもって当選人とする(32Ⅹ)。
  • 一の選挙をもって二人以上の理事又は監事を選挙する場合においては、被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない(法32Ⅺ)。

総会において「選任」

(法32Ⅻ) 

 
  • 理事の任期は、2年以内において定款で定める期間です(法36Ⅰ)。
  • 設立時理事の任期は、1年以内において創立総会において定める期間です(法36Ⅲ)。
  • 定款によって、これらの規定の任期を任期中の最終の決算期に関する通常総会の終結の時まで伸長することができます(法36Ⅳ)。

理事会

理事会に関するルールは次のとおりです。

  • 労働者協同組合は、全ての理事で組織する理事会を必ず置かなければならず、理事会は労働者協同組合の業務執行を決定し(法39)、代表理事を選定します(法42)。
  • 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款又は規約で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款又は規約で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行います(法40Ⅰ)。
  • 理事会の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができません(法40Ⅱ)。
  • 定款で定めるところにより、理事が書面又は電磁的方法により理事会の議決に加わることができるものとすることができます(法40Ⅲ)。
  • 定款で定めることにより、理事会の書面決議を行なうことができます(法40Ⅳ)。
  • 理事会への報告も書面報告で良いことになっています(法40Ⅴ)。
  • 理事会は、議事録を作成し、出席した理事及び監事は、これに署名し、又は記名押印します(法41Ⅰ)。議事録を、主たる事務所においては理事会の日から10年間、従たる事務所においては理事会の日から5年間、備え置く必要があります(法41ⅢⅣ)。組合員及び組合の債権者は、組合に対して、その業務取扱時間内は、いつでも、理事会議事録の閲覧又は謄写の請求をすることができます(法41Ⅴ)。

監事

  • 監事は、理事による職務執行を監督します(法38Ⅱ)。株式会社の監査役のような地位です。
  • 監事は、1名以上必要で(法32Ⅱ)、定数の1/3超の欠員が生じたときは、3か月以内に補充が必要です(法32Ⅵ)。
  • 監事は、組合員でなくても結構ですし、理事又は組合の使用人と兼ねてはなりません(法43)。
  • 組合員数が1000人を超える大規模な労働者協同組合の場合には、監事のうち1名以上は、次の条件をすべて充たす者である必要があります(法32Ⅴ、施行令2)。
    1. 当該労働者協同組合の組合員以外の者であること。
    2. 監事就任前5年間、当該労働者協同組合の理事、使用人又は労働者協同組合の子会社の取締役、会計参与、執行役若しくは使用人でなかったこと。
    3. 当該労働者協同組合の理事・重要な使用人の配偶者・二親等内の親族以外の者であること。
  • 次のものは監事となることができません(法35、施行規則8)
    1. 法人
    2. 精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない
    3. この法律等の法令に違反し、刑に処せられてから2年を経過していない者等
    4. 暴力団の構成員等
  • 監事は、総会で選びますが、選ぶ方法が何種類かありますので、下表を参照ください。
      適用されるルール

総会において「選挙」(法32Ⅲ) 無記名投票の方法(法32Ⅶ)
  • 投票は、一人一票(法32Ⅷ)

指名推薦の方法(法32Ⅸ)

  • 出席者中に異議がないときは、指名推薦の方法によって行うことができる(法32Ⅸ)
  • 被指名人をもって当選人と定めるべきかどうかを総会に諮り、出席者の全員の同意があった者をもって当選人とする(32Ⅹ)。
  • 一の選挙をもって二人以上の理事又は監事を選挙する場合においては、被指名人を区分して前項の規定を適用してはならない(法32Ⅺ)。

総会において「選任」

(法32Ⅻ) 

 
  • 監事の任期は、4年以内において定款で定める期間です(法36Ⅱ)。
  • 設立時監事の任期は、1年以内において創立総会において定める期間です(法36Ⅲ)。
  • 定款によって、これらの規定の任期を任期中の最終の決算期に関する通常総会の終結の時まで伸長することができます(法36Ⅳ)。

司法書士の報酬・費用


業務の内容

司法書士の報酬

費用
  1. 類似商号調査(弁理士への登録商標調査外注費を含みます。)
  2. 創立総会2週間前までに行う公告
  3. 定款ほか登記添付書類の作成・精査
  4. 設立登記申請書の作成・申請代理
  5. 完了謄本の取得・精査
  6. その後必要な手続のお知らせ【1】

275,000円

(税込)

設立認可:不要

定款認証:不要

登録免許税:非課税【2】

その他:2万円

【1】次の手続は含まれません。

  • 創立総会への立会
  • 現地への出張

これらへの対応もご要望の場合に、別途見積書を作成しますので、お伝えください。 

【2】登録免許税が課税されない根拠は次のとおり

〔根拠1〕課税根拠がない。

〔根拠2〕

①労働者協同組合の登記は組合等登記令の定めに従う(組合等登記令1条、同別表)

②商業登記法24条(15号を除く)の準用(組合等登記令25条)

労働者協同組合(のほか組合等登記令が適用される団体の場合には)登録免許税を納付しないこと(商業登記法24条15号)が却下事由から除外されている。

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