わたしたちは、登記のご依頼を受けたときには、単に「登記ができる書類」を作るのではなく、「後で争いが起きない書類」を作るべきと考えています。
「とにかく登記さえできればいい」という考え方の方には理解していただけませんが、それはとてもリスキーなことです。
当グループでは、契約書作成段階から関与することにより、後日の紛争発生を未然に防止します。
もくじ | |
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日本では土地と建物は、別々の物です。土地建物を別々に売買して登記することができます。
不動産登記は、土地と建物について、その形状や大きさなどの物理的状態と、誰が所有者であるかなどの権利関係を、登記所(法務局という国家機関)が管理する帳簿に記録し、公開するための制度です。
物理的状況の登記 | 権利関係の登記 | |
正式名称 | 表示登記 | 権利登記 |
担当する専門家 | 土地家屋調査士【1】 | 司法書士 |
登記される場所 | 登記簿の最初の部分に「表題部」として登記されます【2】。 | 表題部に続いて「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」として登記されます。 |
【1】もっともお客様に区別いただく必要はありません。素晴らしい土地家屋調査士と提携しておりますので、登記はすべて当グループにお問い合わせください。
【2】マンションの場合には、表題部が二つ、すなわち「表題部(一棟の建物の表示)」と「表題部(専有部分の建物の表示)」として登記されています。
土地家屋調査士が担当する表題登記を簡単にご紹介いたします。
土地の分筆 |
1筆の土地を2筆以上に分けること。 新しく権利証(登記識別情報)が発行されることはない。 |
土地の合筆 |
2筆以上の土地を1筆にすること。 2筆の登記簿のいずれかが閉鎖され、閉鎖登記簿となる。 新しく権利証(登記識別情報)が発行される。 |
建物の分割 |
2棟以上の建物が1個の建物(主たる建物と附属建物)として 登記されている場合に、附属建物を独立した別個の建物とすること。 元附属建物について、新しく登記簿が作成される。 |
建物の分棟 |
建物を物理的に2棟以上に切り離して、 一つを主たる建物とし、もう一つを附属建物とすること。 |
建物の合併 |
2個の建物のうち、一つを主たる建物とし、もう一つを附属建物とすること。 附属建物となった方の建物の登記簿が閉鎖される。 |
建物の合棟 |
主たる建物と附属建物で構成される1個の建物を物理的に接続させて 1個の主たる建物とすること。 |
建物の合体 |
2個の建物を物理的に接続させて、1個の建物とすること。 2つの登記簿が閉鎖され、新しく登記簿が作成される。 |
権利関係の登記は、所有権と所有権以外の権利に分けて登記されます。
欄 | 具体的に登記される事項 |
権利部【甲区】 (所有権に関する事項) |
所有権移転 所有者の住所氏名(又は本店商号)の変更 差押え 処分禁止 |
権利部【乙区】 (所有権以外の権利 に関する事項) |
(根)抵当権 賃借権 地上権 地役権(要役地、承役地) |
所有権移転登記には、次の二種類の登記があります。
所有権を「横に」動かす場合と、「上下に」動かす場合で、手続きが全く異なります。
主な不動産登記の登録免許税は、次のとおりです。
登記の種類 | 課税標準 | ×税率 | |||
本来 |
一般住宅用家屋の 軽減税率【5】 |
長期優良/低炭素/買取再販などの 軽減税率【5】 |
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所有権保存登記【1】 |
固定資産税評価額【2】 |
4/1000 |
1.5/1000 |
1/1000 | |
所 有 権 移 転 登 記 |
売買(建物) | 固定資産税評価額 |
20/1000 |
3/1000 |
1~2/1000 |
売買(土地) | 固定資産税評価額 |
15/1000 |
ー |
ー |
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相続・合併【3】 | 固定資産税評価額 |
土地建物とも 4/1000 |
ー | ー | |
共有物分割 | 固定資産税評価額 |
土地建物とも 4/1000 |
ー | ー | |
その他【4】 | 固定資産税評価額 |
土地建物とも 20/1000 |
ー | ー | |
抵当権設定 |
債権額 |
4/1000 | 1/1000 |
【1】所有権登記のない土地又は建物について、最初にする登記のこと
1.建物を新築したときに、表題登記に続けて申請する登記
2.土地についての所有権保存登記も稀に存在します。
【2】建物の固定資産税評価額が存在しない場合があります。
固定資産税評価額の有無 | |
建物完成後、引渡しまでの間に、1月1日をまたいだ場合 | あり |
建物完成後、引渡しまでの間に、1月1日をまたいでない場合 | ない |
固定資産税評価額がないときは、各法務局ごとに発表されている「新築建物課税標準価格認定基準表」を使って計算する。表は、インターネット上で公開されている。
例えば、「種類:居宅、構造:木造、建物表題登記の床面積合計:200㎡」のときは、
1.基準表の「種類:居宅」と「構造:木造」が交わっている価格が㎡単価です。平成30年度であれば、91,000円/㎡
2.これに床面積を掛けて算出した金額を、新築年における課税標準額として計算する。
91,000円/㎡×200㎡=18,200,000円
3.さらに、建築から1年以上経過している建物のときは、「経年減価補正率表」記載の補正率を掛けて計算する。 「経年減価補正率表」は、インターネット上で公開されている。
【3】相続・合併に該当する登記原因 |
・遺贈(相続人に対するもの) ・遺産分割 ・遺留分減殺 |
【4】その他に該当する登記原因 |
・遺贈(相続人以外に対するもの)、 ・贈与 ・遺産分割による贈与(遺産分割代償財産として相続人固有財産を贈与する場合) |
【5】軽減税率の詳細については不動産購入時の登録免許税軽減をご覧ください。
残念ながら、権利証の再発行はできない仕組みです。ご売却される際に、司法書士がご本人確認を行うことで、権利証がなくても売却することは可能です。
違います。住所は郵便物が届くための番号。地番は、土地一筆ごとにつけられた番号です。住所が分かっている場合、管轄法務局に電話で問い合わせると地番を教えてくれます。図で書くと・・・こんな感じです。(平成28年12月。司法書士佐藤大輔)
残念ながら、住民票を変更されても、登記簿上の住所が自動で変わることはございません。なるべく、お早く住所変更登記のご依頼をお願いいたします。
義務ではありませんが、なるべくお早目に住所変更登記をなさることをお奨めしています。住所変更登記には、住所の変更を証明する書類(登記簿上の住所が前住所として記載された住民票や戸籍附票)が必要です。ところが、役所の保管期間との関係で、この書類が取れなくなることがあるからです。また、その不動産に現在お住まいでない場合には、特に住所変更登記をしておくことをお奨めしています。どうしても、あなたが所有している不動産を購入したいという方が居ても、住所変更登記をしていなければ、あなたに連絡の取りようがないからです。
どちらも市区町村長が発行した書類ですので、当該年度のものであれば、大丈夫です。(平成28年4月。司法書士 佐藤大輔)
物理的状態は測量の技術をもった土地家屋調査士という国家資格が、そして、権利関係は法律のプロである司法書士がそれぞれ担当することになっています。 当グループは、優秀な土地家屋調査士と提携しております。皆様は、一言「不動産登記をお願いします。」とだけ、お知らせいただければ、当グループが司法書士業務・土地家屋調査士業務ともに窓口となって進めることが出来ます。大変、便利だとご好評いただいております。例えば、建物新築の場合、表題登記(土地家屋調査士)、保存登記(司法書士)、抵当権設定(司法書士)と必要になりますが、「建物新築」とご依頼いただければ、後は特別なご指示は不要です。
種類 | ご要望 | 担当 |
権利関係に関する登記 |
土地・建物の所有者に変更があったとき(売買・贈与・相続など) |
あなたのまちの司法書士事務所グループ |
建物を新築したときの所有権について最初にする所有権保存登記 |
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住宅ローン等を完済したときの抵当権抹消登記 |
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住所や氏名が変わったときの住所氏名変更登記 |
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形に関する登記 (表示登記) |
土地の種類(宅地・雑種地・田・畑)などの変更 |
土地家屋調査士 有限会社末元測研・山田充宏先生 |
土地の面積の変更 | ||
土地を2つに割りたい(分筆) | ||
2つの土地をくっつけたい(合筆) | ||
法務局の地図を訂正したいとき | ||
建物を新築したときの形の登記 | ||
建物を増築したときの形の登記 | ||
建物を取り壊したときの登記 |
合筆登記は、分譲宅地などに分筆登記をする前に、いったん一筆の土地にするために行なうのが通常で、合筆登記だけを先に行なうメリットは余り多くございません。
合筆登記の メリット |
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デメリット |
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関係 なし |
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令和元年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔
法律上の義務ですので、表題登記をする必要があります。
表題登記しないメリット |
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表示登記しないデメリット |
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(令和元年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
はい。土地の一部を売却することは可能です。土地の一部の売却には二種類(①土地の一部を切り売りする場合、②一筆の土地の持分を売却する場合)あります。まず、①土地の一部を切って売却する場合には、どの部分を売るのか、土地を切って(分筆といいます)売却します。次に、②一筆の土地の持分を売却した場合、売却後は、買主とその土地を共有することになります。持分の割合は、その土地の利用方法の決定権にも大きな影響がありますので、慎重に決定される必要があります。これらは、贈与される場合でも当てはまります。
はい。次のようなリスクがあるので、売主名義で表題登記をしてから購入すべきです。
① 表題登記申請者と建築主とが異なる場合の表題登記申請には、多数の書類が必要になります。その際に、売主の協力が得られるとは限らないこと。
② 売主が、未登記建物の真正な所有者とは限らないこと。
③ 売主が、二重譲渡してしまう可能性を排除できないこと。
④ 売主に借金がある場合、売主の債権者が差押をするために売主名義で表題登記・保存登記を入れてしまう可能性があること。
(令和1年12月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
なるべく早く行うべきです。理由は、沢山ございますので、こちらの記事「相続は早い者勝ちになりました」をご覧下さい。
こちらの記事「相続登記の義務化について(2024施工予定:民法等の一部を改正する法律)」をご参照ください。
将来、建物の所有者が誰であるか争いになることを避けるためにも、少なくとも未登記建物の納税義務者変更手続を行っておく必要があります
(平成29年5月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
可能です。誰が不動産を相続するか決まっていない場合、相続人であればその一人から抵当権を抹消することが可能です。保存行為といいます。
(平成28年6月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
次のとおりです。なお、贈与税は、通常かかりません。当事務所グループでは、どの程度の税金がかかるのか、提携税理士に試算を依頼したうえで、ご提案いたします。ご安心ください(あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔・平成29年1月)。
もらう側
・側登録免許税
・不動産取得税 ※1
・(毎年)固定資産税・都市計画税
財産分与する側
(譲渡)所得税 ※2
※1 かからないこともあります。
※2 時価で売却したものとして、購入したときの売買代金との差額について、課税されます。不動産を元配偶者に無償で渡しているのに、なぜ所得税が発生するのかという疑問を良くいただきます。所得があがる結果、保険料もあがることになるので、注意が必要です。
(平成30年3月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)
●=課税される ▲=課税可能性あり ×=課税されない |
財産分与 | 売買 | 負担付贈与 | 贈与 | |
不動産を渡す側 |
譲渡所得税(国税) 住民税(地方税) |
▲時価で譲渡したとみなされる。購入時より時価が高騰していたとき課税される【注1】 |
▲購入時より高額で売却したとき 【注1】
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× |
贈与税 |
▲時価より高い売却のとき 【注2】 |
▲負担が贈与財産より過大であるとき |
× | ||
不動産を |
不動産取得税 |
× |
● | ● | ● |
登録免許税率 |
20/1000 |
土地15/1000 建物20/1000 但し居住用のとき 建物3/1000 |
20/1000 | 20/1000 | |
贈与税 |
×但し【注3】 |
▲時価より安い売却のとき【注2】 |
▲時価から負担額を控除した金額について【注2】 |
▲相続税評価額 【注2】 |
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固定資産税 |
● | ● | ● | ● |
① | ② |
登記原因日付 |
離婚届を提出 |
財産分与の合意 |
財産分与の合意をした日 |
財産分与の合意 | 離婚届を提出 | 離婚届を提出した日 |
(平成30年3月・あなまち司法書士事務所・司法書士佐藤大輔)