成年後見に関する登記には、嘱託登記と申請登記があります(後見登記等に関する法律4条、5条)。
この記事では、専門家であっても迷うことのある論点、すなわち「①嘱託登記か申請か」「②登記手数料の金額」を一覧で掲載しています。
【1】嘱託登記の根拠となる法令
裁判所書記官が嘱託すべき登記は、家事事件手続法116、同別表第一、家事事件手続規則77を参照。
公証人が嘱託すべき登記は公証人法57条の3を参照。
もくじ | |
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〔凡例〕この記事では、次のとおり略記します。
法定後見に関する登記は、全て嘱託登記ですので、あなたがご自身で申請する必要はありません。
種類 |
申請or嘱託 |
登記手数料【1】 |
後見等の開始の審判に基づく登記 | 嘱託 | 1件2,600円(令14Ⅰ) |
保佐人補助人の同意行為を定める審判【2】 | 嘱託 | 1件1,400円(令15Ⅰ①) |
保佐人補助人に代理権を付与する審判【2】 | 嘱託 | 1件1,400円(令15Ⅰ②) |
後見人、監督人の辞任許可審判 | 嘱託 | 1件1,400円(令15Ⅰ③) |
後見人、監督人の職務執行停止、職務代行者を選任する審判前の保全処分 |
嘱託 | 1件1,400円(令15Ⅰ④) |
【1】登記所に納める実費です。裁判所による嘱託登記の場合、この実費は、裁判所を通じて登記所に納めます。
【2】保佐開始・補助開始の審判と同時になされるものを除く。
に関する登記は、嘱託又は申請で行われ(後見登記法4Ⅱ)、手数料は1件1,400円(令16Ⅰ)です。
種類 |
申請or嘱託 |
登記手数料【1】 |
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嘱託 | 1件2,600円(令16Ⅰ) |
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嘱託 | 1件1,400円(令18Ⅰ①) |
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嘱託 | 1件1,400円(令18Ⅰ②) |
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嘱託 | 1件1,400円(令18Ⅰ③) |
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嘱託 | 不要 |
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申請 | 不要 |
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申請 | 不要 |
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申請 | 不要 |
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嘱託又は申請【2】 |
不要 |
【1】登記所に納める実費です。
裁判所による嘱託登記の場合、この実費は、裁判所を通じて登記所に納めます。
【2】任意後見監督人選任後の任意後見契約の解除には、家庭裁判所の許可を要するため、辞任がなされたか否かは、家庭裁判所も知るところです。従って、裁判所書記官が登記を嘱託すべき場合とされています(家事事件手続規則77Ⅰ④)が、本人・任意後見人又は任意後見監督人も申請義務を負っています(後見登記法8Ⅱ)。
成年後見制度は平成12年4月1日に施行されました。
それ以前の制度である「禁治産宣告を受けた方」は「成年被後見人」と、「準禁治産宣告を受けている方」は「被保佐人」とみなされます。
平成12年4月1日以降も、宣告を受けた旨の戸籍の記載や後見人の権限は有効ですので、それらを証明するために戸籍謄本が使用できます。もっとも、戸籍謄本を証明のために使用することに抵抗がある場合や成年後見制度を利用したい場合には、戸籍の記載を後見登記等ファイルに移す「移行の登記」を申請することができます。
後見登記法附則2条1項、2項に基づく「戸籍から成年後見登記への移行の登記」は、1件2,600円です(登記手数料令附則2)。
詳しくは「移行の登記申請の説明及び申請方法/東京法務局/最終アクセス230321」をご参照ください。
業務内容 | 司法書士の報酬 | 実費 |
各種登記の申請書作成・代理申請 |
33,000円~ | |
成年後見登記事項証明書の取得
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5,500円 |
550円/通 切手:3,000円ほど |