(民法897条の2の)相続財産管理人選任申立


※ 令和5年4月1日改正民法が施行され次のとおり改正されました。
  • 従来の相続財産管理人→「相続財産清算人」に名称変更(民952)
  • 相続財産の保存・管理のみの管理人が必要→新「相続財産管理人」スタート(民897の2)
この記事では、相続財産管理人(新しい管理人制度)について説明しています。
従来の相続財産管理人(相続財産清算人)制度についてはこちらをご参照ください。
もくじ
  1. 従来の制度との比較
  2. どんなときに「相続財産管理人」を選任申立てをすれば良いか
  3. 相続財産清算人の選任を申立できる方
  4. 相続財産清算の流れ
  5. 相続財産清算人の職務
  6. 標準的な所要時間
  7. 司法書士の報酬・費用
  8. 人気の関連ページ

従来の制度との比較


  相続財産管理人

相続財産清算人

(旧法の相続財産管理人)

根拠条文  民法897条の2 民法952条
選任の要件
  1. いつでも【1】
  2. 利害関係人又は検察官の請求
  1. 相続人のあることが明らかでないとき
  2. 利害関係人又は検察官の請求
選任の要否

任意的選任(相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。)

必要的選任(相続財産の清算人を選任しなければならない。)

管理人/清算人の権利義務
  • 財産目録作成義務(民897の2Ⅱ→民27Ⅰ)
  • 裁判所が命じた財産の保存に必要と認めた処分(民897の2Ⅱ→民27Ⅲ)
  • 民103条の列挙行為(=保存行為、物又は権利の性質を変えない範囲内での利用・改良を目的とする行為)は当然できる(民897の2Ⅱ→民28)。
  • 家裁の許可を得た行為(民897の2Ⅱ→民28)。
  • 家裁に命じられたときの立担保義務(民897の2Ⅱ→民29Ⅰ)。
  • 報酬請求権(民897の2Ⅱ→民29Ⅱ)。
  • 財産目録作成義務(民953→民27Ⅰ)
  • 裁判所が命じた財産の保存に必要と認めた処分(民953→民27Ⅲ)
  • 民103条の列挙行為(=保存行為、物又は権利の性質を変えない範囲内での利用・改良を目的とする行為)は当然できる(民953→民28)。
  • 家裁の許可を得た行為(民953→民28)。
  • 家裁に命じられたときの立担保義務(民953→民29Ⅰ)。
  • 報酬請求権(民953→民29Ⅱ)。

ここまでは相続財産管理人と同じ。

  • 相続債権者・受遺者から請求あったときの相続財産状況報告義務(民954)。
  • 公告義務(民957)
予納金の目安    

【1】以下の場合を除く(民897条の2Ⅰただし書)

  1. 相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき。
  2. 相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき。
  3. 第952条第1項の規定により相続財産の清算人が選任されているとき。

どんなときに「相続財産管理人」を選任申立てをすれば良いか?

民法897条の2Ⅰただし書き以外の場合です。

例えば

  • 遺産分割協議が成立しない場合において、遺産を占有している相続人による適切な管理が見込めない(例えば、賃料の回収ができていない。賃料の分配ができていないなど)とき
  • その他、立法趣旨、立法担当者の意見も参照

標準的な所要時間


司法書士の報酬・費用


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