お亡くなりになった方に借金があった場合、3か月以内に相続放棄をしなければ、相続したものとみなされてしまいます(民法921条。法定単純承認)。
一方、急いで相続放棄をしたけれど、プラスの財産も沢山あった場合、プラスの財産も相続できなくなります。
3か月という期間はあまりにも短いので、相続を承認するか放棄するか、被相続人の財産を調査したり、考える期間の延長を家裁に申し立てて認めてもらうことが可能です。
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期間伸長申立が認められたとしても、準確定申告の期限(相続開始4か月)や、相続税の申告期限(相続開始後10か月)が延長されることはありません。
しかしながら、これらの申告が法定単純承認に該当する可能性がないとはいえませんので、申告期限が経過しても無申告のまま放置するしかないと思われます。
そして、検討の結果・・・
東京高裁平成15年3月10日判決(平14(行コ)239号) | |
限定承認の申述受理の審判は、法定の形式的要件と申述者の真意を調査するだけであって、複雑な判断を要するものではないから、相続人が相続開始を知った日から3か月以内に限定承認の申述をすれば、通常は、4か月以内に申述受理の審判の告知がされるものと推認される。また、相続人は、限定承認の申述をするに当たって、被相続人の財産調査を行い、価格を認識し、負担する負債を検討するものであるから、これと併せて、みなし譲渡所得の課税標準と納付すべき税額も算定することができる。したがって、相続人が相続開始があったことを知った日の翌日から4月を経過した日の前日をもって法定納期限と定め、これを延滞税の起算日と定めても、納税者に無理を強いることにはならず、不合理なものということもできない。 また、国税通則法60条に規定する延滞税は、法律に特別の規定がある場合を除き、法定納期限までに本税が納付されないという事実が生じれば、納税者に正当な理由があるか否かにかかわらず、一律に課せられる性質のものであるから、申述受理の時期いかんによって法定納期限に差異が生ずることには合理性がない。 なお、相続人が熟慮期間伸長の手続をした結果、法定納期限後に限定承認の申述受理がされることになったとしても、これは当該相続人が自ら選択した結果であるから、これにより延滞税負担の不利益を課せられてもやむを得ないというべきである。ちなみに、控訴人らも、熟慮期間3か月経過後に限定承認の申述をし、これが受理されているので、熟慮期間伸長の手続をしていたものと推認される。 |
財産や負債をお持ちの方が亡くなると相続が開始します。
最寄りの当グループ各事務所にご相談ください。
皆様が、どういう手続をとることが出来るのか、ご説明します。
被相続人やご自身の戸籍謄本などを提出いただきます。ご依頼があれば、司法書士が取得することも可能です。
司法書士が申立書を作成します。
内容をよくご確認いただき、署名押印をお願いいたします。
司法書士が管轄の家庭裁判所に提出します。
書類の不備などは司法書士に連絡がきます。
皆様のご住所に裁判所から直接照会状が届きます。
裁判所が当然の申立てだと考えるときには、届かないときもあります。
照会状への記載方法をお知らせいたします。これは、皆様が誤解されて、誤った事実を記入してしまうと、期間伸長が認められないことになりかねないからです。
きっちり受理されていれば、次のような書類(審判書)が届きます。
令和2年(家)第〇〇〇〇号 相続の承認又は放棄の期間伸長申立事件 |
審 判 |
本 籍 兵庫県〇〇 住 所 兵庫県〇〇 申 立 人 佐藤 大輔(あなたの名前) 本 籍 兵庫県〇〇 最後の住所 兵庫県〇〇 被相続人 亡〇〇 〇〇(昭和〇年〇月〇日生、令和2年〇月〇日死亡) 上記事件について、当裁判所はその申立てを相当と認め、次のとおり審判する。 |
主 文 |
1 申立人が被相続人の相続について承認又は放棄をする期間を令和年月日まで伸長する。 2 手続費用は申立人の負担とする。 令和2年〇月〇日 神戸家庭裁判所 裁判官 〇 〇 (印なし) これは謄本である。 令和〇年〇月〇日 神戸家庭裁判所 裁判所書記官 〇〇 ㊞ |
きっちり申立が受理されたのか、確認させていただきます。
最初にお話しを伺ってから、概ね2~3か月程度です。
裁判所の混雑具合にもよります。
申立書に添付する戸籍収集なども司法書士にご依頼いただく場合、別途報酬・費用が必要です。
業務内容 | 司法書士の報酬 | 費用 |
相続の承認・放棄の期間伸長申立 | 55,000円(税込) |
印紙800円 予納郵券 |